2025年米国EV充電サービス満足度調査、信頼性と顧客体験が向上

2025年米国EV充電サービス満足度調査の結果

2025年8月13日に発表されたJ.D.パワーによる「2025 U.S. Electric Vehicle Experience (EVX) Public Charging Study」が注目を集めています。この調査は、アメリカにおけるバッテリー式電気自動車（BEV）やプラグインハイブリッド車（PHEV）の所有者が感じる公共充電サービスの満足度を測るものです。特に、AC普通充電（レベル2）とDC急速充電という2つの充電方式について詳細な分析が行われました。

EV充電業界の現状と信頼性の向上

最近の調査によると、米国におけるEVの公共充電業界は、NEVIプログラムの不確実性にもかかわらず、回復力と進展の兆しを示しています。特に、充電するために訪れたにもかかわらず充電できなかった「非充電訪問」の割合が過去4年間で最も低いことが確認されました。この結果は、公共充電インフラの改善に対する業界全体の努力を反映しており、充電の信頼性が向上したことを示しています。

顧客の満足度の変化

とはいえ、顧客の満足度には課題が残ります。DC急速充電器の顧客満足度は前年よりも10ポイント減少し、654ポイントとなりました。特に、コストや支払いに関する評価が低下しました。AC普通充電でも、607ポイントと7ポイントの減少が見られます。これらの満足度の低下は、顧客がテスラのSupercharger以外の充電サービスを利用する際、満足度が低いことが一因とされています。

課題: 充電コストの問題

調査によると、非充電訪問の最も大きな理由は、充電器の故障です。より多くのユーザーが公共充電ステーションでのスムーズな体験を求めている中、価格の上昇も影響しているようです。充電インフラの進化や電力料金の上昇により、充電価格が大幅に増加したことが、EV所有体験に影響を及ぼしています。

EV所有者の層による満足度の違い

興味深い点は、初めてのEV購入者が経験豊富な所有者よりも高い満足度を示していることです。AC普通充電では、初めての所有者の満足度が610ポイントに対し、ベテランの所有者は592ポイントでした。これは、ベテランの所有者が技術や設備に高い期待を抱いているためとって考えられます。

今後の展望: 充電インフラの強化

J.D.パワーのエグゼクティブディレクター、ブレント・グルーバー氏は、公共充電ステーションの顧客体験を向上させるためには、信頼性の向上や使いやすさの改善が重要であると強調しています。また、充電速度の向上だけでは解決できない多くの課題が残っていると述べています。

この調査から、公共充電の満足度は向上しつつあるものの、コストや信頼性に関する問題が依然として残っていることが明らかとなりました。今後、EV業界がこれらの課題をどのように克服していくのか、注視が必要です。

まとめ

2025年のJ.D.パワーによるEV充電サービスの満足度調査は、EVインフラの進化と充電の顧客体験の重要性を再認識させるものでした。信頼性の向上が見られる一方で、充電コストやインフラの拡充に関する課題は今後の大きなテーマとなりそうです。もっとも、これらの課題をクリアしていくことで、さらに魅力的なEV社会が到来することを期待したいところです。