日本のテレビを捨てベトナムで新たな可能性を探る津野允の挑戦

日本のテレビ界からベトナムへ、津野允の新たな挑戦

かつて関西のテレビ界で数々の名番組を手掛けたディレクター、津野允（つのまこと）さんが2023年に突如として人気の舞台から姿を消しました。その行先は3000キロ以上離れたベトナム。彼の真の目的とは何だったのでしょうか？日本のテレビと異なる異国のテレビ局で見えた新たな可能性について、津野さん自身の言葉でご紹介します。

偶然の出会いが生んだ新たなステージ

津野さんは、大阪の制作会社で22歳から23年間、数多くのヒット番組を制作してきました。「せやねん！」「探偵ナイトスクープ」「相席食堂」など、数々の看板番組でその実力を証明してきた津野さんですが、急にベトナムへの派遣が決まった背景には、JICA（国際協力機構）との関わりがありました。彼は二年間、首都ハノイに位置する国営テレビ局「ベトナムテレビ（VTV）」に派遣されることになりました。

ベトナムで編む新たなテレビの未来

津野さんが携わるのは、外国語放送チャンネルのVTV4。ここで彼は日本語でベトナムと日本の時事を伝える「ジャパンリンク」というニュース番組のナレーションの添削や日本語の発音チェックを行っています。日本では考えられないような職務の多様性を感じており、特に制作現場では報告やナレーション、編集までを一人で行うスタイルに驚かされたそうです。このスタイルは、ベトナムのテレビ制作の柔軟さを物語っており、津野さん自身もその変化に毎日刺激を受けています。

ジェンダーの壁を越えた制作現場

特に印象に残っているのは、男女の垣根があまり存在しない点です。ベトナムでは、職場の女性比率が非常に高く、これはベトナム特有のジェンダー観に基いています。この挙動は、日本のテレビ業界とは対照的であり、津野さんは、どのようにすれば日本のテレビ業界がより多様で柔軟な方向に進めるかを考えさせられる経験をしています。

地元密着の無料配信体制

ベトナムのテレビ番組は、あらゆるプラットフォームで無料で見ることができます。これも日本とはまるで異なる点であり、この現状を見た津野さんは、日本のテレビ制作における課題を強く感じています。視聴者に届けるための制作コストや収益モデルについて、日本とベトナムでは天と地ほどの差があります。津野さんは、このような新たなテレビの未来を模索する立場として、日本のテレビマンにこの状況を伝えたいという思いがあるようです。

最後に…これからの津野さん

なぜ津野さんは、長年培ったキャリアを捨ててまでベトナムで新たなチャレンジを始めたのか。その答えは、彼自身の中にある「日本のテレビをもっと良くしたい」という情熱にあります。今後のテレビ制作にどう貢献したいと考えているのか、津野さんは目を輝かせて次のステップを見据えています。打破したい固定観念と共に、新たな視点でのテレビ表現が守られることを願い、彼の挑戦はまだ続きます。

日本のテレビ界から新たな視点を持った人材を育てる津野さんの姿勢から、私たちも多くを学べるでしょう。いずれ日本に帰国する津野さんが、どのように変わった視点をもたらすのか、今から楽しみですね。