2025年、日本の自動車市場は回復の兆しを見せるが今後は厳しい局面に

日本の自動車業界は、2025年に向けて徐々に回復の兆しが見えています。S&P Global Mobilityの最新の販売予測によると、2024年のライトビークル販売台数は前年比で7.9%減の434万台となりました。この数値は、過去10年間におけるさまざまな課題、例えば安全性や排出ガスに関する規制、パンデミックの影響、半導体不足、さらには地政学的な緊張の影響を受けてのことです。しかし、2025年には販売台数が456万台に回復する見込みです。

短期回復の期待と長期的な課題

日本におけるライトビークル新車販売は厳しい市場環境に直面しています。不正行為による納品の遅延や自然災害によって、2024年はOEM（オリジナル・エクイップメント・メーカー）にとって特に難しい年でした。しかし、2025年には短期的な販売回復が期待されています。なお、少子高齢化や人口動態の変化といった長期的な構造的課題も、今後の経済成長に影響を与えると考えられており、2030年までには国内のライトビークル販売は430万台に減少する見込みです。特に、高齢者が車を手放す一方で、若者は都市部で公共交通機関を利用する傾向が強まっています。

EVの普及と市場の変化

EV（電気自動車）の人気は年々高まっています。S&P Global Mobilityの予測によれば、2030年までに日本で販売されるバッテリー電気自動車（BEV）のシェアが10%を超えるとされています。川野義昭氏は「需要の高さから、ハイブリッド電気自動車（HEV）は依然として多くの消費者に支持され、今後もその傾向は続くでしょう」と述べています。

外的要因の影響と日本の輸出

2025年の国内ライトビークル生産台数は790万台と予想されていますが、米国の関税が10%であれば輸出は安定的な推移が見込まれます。しかし、米国が25%の自動車関税を課す場合、日本の輸出は大きな影響を受けることになります。西本真敏氏によると、米国市場でのハイブリッドパワートレインの需要の増加もあり、日本のOEMは成長機会を見出しています。さらに、メキシコや中国におけるサプライチェーン再編の可能性も懸念されています。