三菱総合研究所が自動運転の通信インフラ実現へ向けた技術実証に着手
自動運転の未来を支えるV2X通信技術の実証
近年、自動運転技術は急速に発展しつつあり、政府主導のもとで自動運転車両の社会実装が進む中、重要な役割を果たすのがV2X(Vehicle to Everything)通信システムです。このたび、株式会社三菱総合研究所が総務省からの受託を受け、V2X通信技術の実証に取り組むことが発表されました。このプロジェクトは、様々な企業と連携し、自動運転社会を支える通信インフラの実現に向けた重要な一歩となります。
V2X通信の重要性
自動運転の普及に伴い、車両と周囲のインフラ(道路や信号、他の車両)との情報交換が不可欠です。V2X通信は、この情報交換を実現するための技術であり、主に700MHz帯と5.9GHz帯の専用通信、さらに4G/5G携帯電話網を活用する方法があります。専用通信は主に交差点や合流地点などの局所的な安全支援に強みを発揮しますが、広範囲に及ぶ自動運転車両の遠隔監視を行うには4G/5Gの活用が効果的です。
プロジェクトの概要
この新たな事業では、三菱総合研究所はエム・アール・アイ リサーチアソシエイツ、沖電気工業、KDDI、その他の企業と協力し、公共道路や高速道路におけるV2X通信の技術実証を行います。具体的には以下の内容が計画されています。
1. 通信要件の整理:各種V2X通信方式の必要となる場面や通信要件を体系的に分析し、導入シナリオや普及戦略についても検討を進めます。
2. 実技術検証:実車を用いて、700MHz帯や5.9GHz帯のV2X通信を使った自動運転車両の走行性能を検証します。特に、地方都市や都市部における自動運転バスの運行や、複数台の自動運転車両の同時監視などが重点項目です。
3. 干渉条件の整理:5.9GHz帯V2X通信が他の無線システムと干渉しない条件を明確にし、全国展開に向けた技術的条件を策定します。
各企業の役割
このプロジェクトには、多くの企業が関与しており、それぞれの専門性を生かしてV2X通信の実証が進められます。三菱総合研究所は幅広い政策・戦略を背景に、実証実験の計画立案やコーディネートを主導し、沖電気工業はITSインフラの提供や技術検証を担当、KDDIは4G/5Gを活用したネットワーク設計を行います。それに加え、ティアフォーは自動運転技術の普及を見据えた実走行の検証を進め、T2は物流との連携を強化します。さらに、日本電気は自動運転の安全性向上に向けて、V2X通信の有効性を検証します。
今後の展望
本プロジェクトは、V2X通信が自動運転の社会実装に向けた重要な技術であることを示しており、今後の実証結果は政府やエンタープライズにおける技術条件の策定、そして導入促進策に活用される見込みです。今後も三菱総合研究所は、関係企業と共に自動運転を支える通信環境の整備に尽力し、安全で安心な自動運転の社会実現に向けて邁進していきます。