円安による中古車買取相場高騰の実態と今後の予測
2025年10月版の中古車買取相場の動向について、私たちは株式会社ファブリカコミュニケーションズが提供する「車選びドットコム買取」を基に分析を行いました。ここから、現在の中古車市場の状況や今後の予測について詳しく見ていきます。
高水準が続く買取相場
昨年とほぼ同じ水準を維持する形で、買取相場は依然として高止まりを続けています。今年の2月には過去5年間で最も高い水準が記録され、9月にはさらにその記録を更新しました。この上昇傾向は11月まで続く見込みです。
買取相場の上昇は主に円安の影響によるもので、海外のバイヤーが日本の中古車をかなりお得な価格で購入できる状況が続いています。これが輸出需要の拡大を引き起こい、国内中古車オークションでの取引額が上昇する要因となっています。特に新興国市場からの需要が高まっており、人気車だけでなく、国内ではあまり人気のない車種にも需要が広がっています。
今後の需要予測
もし今後さらに円安が進むことがあれば、日本車の信頼性に加えて「価格の割安感」が際立ち、新興国市場での需要がさらに増加するシナリオが浮かびます。ただし、中古車がどんどん海外に輸出されることで、国内市場での流通量は減少し、供給不足が起こる可能性があります。これにより、買取価格の高止まりが続く見込みです。
中古車の供給不足
車選びドットコムによるデータ分析によると、9月から10月にかけての買取価格は最高値を更新しました。特に「5年落ち車両」の供給不足が顕著であり、これは新型コロナウイルスの影響で新車製造や販売が大幅に減少した2020年登録車が多いためです。
今後、国内市場ではこの年式の車両が不足することが予見され、海外からの需要が重なることで、さらに供給不足が深刻化します。この影響で買取価格は高い水準を維持する可能性があります。
人気車種の反応
特にトヨタのアルファードやヴェルファイアなどは、すでに価格が高止まりしています。そのため、これらの人気車種は今後の価格上昇余地が限定的と考えられます。しかし、軽自動車のトールワゴンやセダン、トラックなどは、海外需要が高まっており高値での買取が見込まれています。
年末商戦に向けた売却のタイミング
例年通り、買取相場は年末商戦に向けての需要が高まる10月から11月がピークになると考えられています。そのため、年式が変更される前のタイミングでの売却を検討するのが良いでしょう。特に、年式の新しい車両は国内市場において需要が高く、良好な買取価格が期待できます。
ボディタイプ別の買取ランキング
次に、ボディタイプ別の中古車買取ランキングも気になるところです。今回発表されたランキングでは、国産車においては軽自動車が26.6%で1位、ミニバン/ワンボックスが18.2%で2位となりました。一方輸入車では、SUV/クロカンが25.9%で1位です。この結果からも、各車両の傾向や今後の動向を読み取ることができます。
まとめ
現在の中古車市場は外的要因によって影響を受けており、特に円安が重要な役割を果たしています。需要と供給のバランスが崩れる中で、買取相場がどこまで上昇するのか、引き続き注目が集まることになるでしょう。車を売却する際は、タイミングと市場の動向をしっかりと見極めることが重要です。各種情報をチェックし、賢く売却を進めていきましょう。