高松亜衣が描く《Resonance》とクラシックの新たな旅
ヴァイオリニストの高松亜衣が新たなクラシック音楽のシリーズ《Resonance》を立ち上げ、東京と神戸で公演を开展することが発表されました。このシリーズでは副題のない純粋なクラシック音楽、つまり「本流」とされる作品に特化しており、高松の音楽的ビジョンと共鳴する楽曲が演奏されます。
高松亜衣の音楽観と選曲の背景
東京藝術大学を卒業後、オリジナル曲を交えたリサイタルシリーズで人気を博している高松亜衣は、普段のリサイタルで自身やヴァイオリンの魅力を伝えることが多いですが、今シリーズでは異なるアプローチを探索しています。「今回はクラシック音楽の本質に迫り、作曲家が残した作品の本質を丁寧に演奏していきたい」と語る高松。彼女にとって、このシリーズはクラシック音楽を演奏する者としての意志を表明する場ともいえます。
選曲の中心には、ヴァイオリン、チェロ、ピアノからなる「ピアノ三重奏」の楽曲が据えられています。高松は「アンサンブルには豊かな響きがあり、深い体験ができる」と語り、作品の重厚な構造に魅力を感じているようです。これまでに培った彼女の音楽経験が、この新たな挑戦にどのように影響するのか楽しみです。
プログラムの魅力と作曲家への思い
今回の公演では、19世紀のロマン派作品二曲が演奏されます。アレンスキーの「ピアノ三重奏曲」とブラームスの「ピアノ三重奏曲第1番」です。アレンスキーの作品は、ロシアの伝統に根ざした哀悼の意を持ちつつ、他国の音楽の要素も吸収していると高松は述べています。製作の過程において彼の個性は「全てを受け入れる能力によって形成された」と感じ、彼の多様性を称賛しています。
対するブラームスの作品は、聴くほどに構成の魅力が浮かび上がり、高松にとっては「精神を整える音楽」であると語ります。幼少期からのバッハとの親しみや、音楽への深い理解が、彼女の演奏スタイルにどのように活かされているかが感じられることでしょう。
音楽との共鳴が生む新たな経験
高松亜衣が提唱する《Resonance》は、単に音楽を演奏することにとどまらず、聴衆との心の交流を大切にする試みでもあります。「クラシック音楽は華やかさだけではなく、作品そのものが表現している思いを感じることが重要」と話し、観客が新たな音楽体験を得られるよう願いを込めているのです。
公演では、高松と共演するピアニストの黒岩航紀、チェリストの清水陽介との緊密なアンサンブルが期待されます。演奏前にはプレトークが予定されており、アーティストたちの言葉を直接聞くことで、作品への理解や思い入れを深める貴重な機会となるでしょう。
高松はこのシリーズを通じて、クラシック音楽の良い伝統を次世代へとつないでいく意思を強く持っています。「最初は親しみにくいかもしれない作品でも、聴けば深い感動がある」との思いを抱いており、このコンサートが新たな愛好家を生むきっかけになることを願っています。彼女が描く音楽の響きは、聴衆に長く残ることでしょう。
高松亜衣の《Resonance》は、ただの音楽会ではなく、クラシック音楽の本質を深く味わう旅でもあります。まだクラシック音楽の世界に触れていない方も、この機会に新しい発見をしてみてはいかがでしょうか。チケットは好評発売中で、まずはその足を運んでみてはいかがでしょうか。