学校におけるスポーツ実施状況の調査
東京都港区に拠点を置く笹川スポーツ財団(SSF)が行った調査によると、日本国内の公立小学校に通う1年生から6年生の児童およびその保護者を対象に、子供たちのスポーツや運動遊びの実態が明らかになりました。この調査は、子供たちが学校内外で楽しむべきスポーツ環境を整えるための大切な基礎データとなることを目的としています。
調査の背景
少子化が進む日本では、外国にルーツを持つ子供たちも増加しています。しかし、これらの子供たちが学校で平等に運動を楽しむことができているのか、その実態はほとんど知られていませんでした。今回の調査は、今後のスポーツ環境の整備に向けたものとされています。
調査結果の要点
1.
水泳が特に人気: 調査によると、水泳(または水遊び)を好む児童の割合は、日本人児童では61.8%、移民児童では75.9%と高く、運動嫌いの児童が多いなかで移民児童は特に水の楽しさを感じていることがえられます。
2.
スポーツ参加率の低さ: 国籍による差が顕著で、日本人児童の90.0%に対して、移民児童の参加率は70.4%と、非常に大きな差があります。特に高学年になると、移民児童の約4割が運動遊びに参加していないことが明らかとなりました。
3.
体力テストの影響: 体力テストの結果でも日本人と移民児童との間に有意な差が見られ、特に反復横跳びや20mシャトルランでは移民児童の得点が低い傾向にあります。
4.
評価の重要性: 体力テストにおいて移民児童は、教師や友人からの励ましが結果に影響を与えるケースが多数確認されました。運動に自信を持てない児童は、このような励ましを受ける機会が少ないことが課題とされています。
社会の取り組みが急務
このような結果を受け、移民の子供たちを含め全ての子供がスポーツに親しめる環境を整えるためには、社会全体での取り組みが必要です。コミュニケーションの壁を低くし、様々な運動体験の機会を提供することが求められています。また、学校教育において移民児童の多様性を尊重し、彼らが活躍できる環境を作り出すことが重要です。
調査の概要
本調査は2023年10月に実施され、226名の児童および222名の保護者からの回答をもとに行われました。児童票の回収率は99.1%、保護者票も96.5%と非常に高い結果となり、実施された内容がれ内容が統計として信頼できるものであることを示しています。 今後、これらのデータが活かされ、移民児童やその保護者の意見が反映されるスポーツ環境づくりが進むことが期待されます。