福島の真実を伝える「ぐぐるプロジェクト」の始動
全国に福島の現状と想いを届けるための新たな取り組み、環境省主導の「ぐぐるプロジェクト」が今年度も活動を本格化させました。このプロジェクトは、放射線による影響を正確に伝えることを目的としており、特に注目されるのは、福島メッセンジャーズという地域の声を届けるボランティア集団の結成です。
今年度は「自分ごと化と行動のバトン、全国へ」というスローガンのもと、具体的な活動計画を立てました。特に注目すべきは、8月6日から7日にかけて行われる「こども霞が関見学デー」でのブース設置です。このイベントでは、親子連れを対象に福島や放射線に関するクイズを通じて、理解を深めてもらう取り組みが行われます。科学をテーマにしたゲーム感覚の体験は、子どもたちにとっても楽しみながら学べる機会になります。
9月以降には全国各地の様々なイベントに出展し、直接的な情報提供を進める計画があります。福島に住む人々の声を伝えるため、準備が着々と進められています。
キックオフミーティングでのロールプレイング
7月31日には東京国際フォーラムにて、プロジェクトのキックオフミーティングが開催されました。このミーティングでは、実際の現場を想定したロールプレイングが行われ、メッセンジャーズのメンバーが中心となりました。桂三四郎さんや箭内夢菜さんといった著名人も参加し、実際の呼びかけのシミュレーションを行いました。親子連れ向けの呼びかけと、地方イベントでの若者向けのアプローチがシミュレーションされ、様々な対応力のもと、効果的な情報発信が模索されました。
特に、桂三四郎さんが小学生役で参加するなど、参加者の持つリアルな感情を引き出すことで、実際に観客に響くコンテンツとなることが期待されています。ロールプレイングの後は、大竹文雄特任教授から、教育的観点から見たアドバイスがあり、親子間のコミュニケーションを促進する手法についても言及されました。
調査結果から見えた新たな発見
また、ミーティングでは昨年度の調査結果を基にした活動報告も行われました。大竹特任教授は、ふくしまメッセンジャーズが作成した絵本を通じた意識変容の調査結果に触れ、震災を体験した世代とそうでない世代での意識の違いが明らかになったことを指摘しました。このことから、年代別にアプローチを変える必要性が生じているとの考えも示されました。
環境省大臣官房の大井通博審議官も、調査結果を元にした細やかな観察が未来の活動にとって重要であると強調。風評被害や偏見をなくすためには、正しい情報を広めることが急務であるとの思いを語りました。
今後の展望とメッセンジャーの役割
今年の活動は、福島メッセンジャーズの前年度の調査結果を生かしつつ、全国に福島の思いを発信する一歩を踏み出した形です。今後は、「ぐぐるプロジェクト」特設サイトにて、キックオフミーティングの様子を公開する予定です。これにより、より多くの人々に福島の声が届くことを願っています。
福島のメッセンジャーたちの熱意が多くの人々に伝わり、地域の現状を理解し、行動を促すきっかけとなることを期待しています。