豊田自動織機が協働ロボットを導入
豊田自動織機は、愛知県半田市に位置する東知多工場において、ユニバーサルロボット(UR)の協働ロボット「UR10e」を導入したことを発表しました。この取り組みは、エンジン製造の自動化を推進し、生産効率を高めることを目的としています。
1. 導入の背景
東知多工場は、自動車やエンジンに関連した製品を製造する重要な拠点であり、特に「ランドクルーザー」や「ハイラックス」に搭載されるGD型ディーゼルエンジンを生産しています。しかし、熟練作業者の後継問題や若手人材の確保が課題となっており、効率的な作業環境の構築が急務とされています。
この工場では、従来26kgの粗材を手作業で投入する工程があり、作業者にとっては落下リスクや高い身体的負担が課題でした。そのため、自動化を通じて安全性を高めるとともに、作業負担を軽減することが求められていました。
2. UR10eによる解決策
「UR10e」は、従来の産業用ロボットでは必須である安全柵なしでコンパクトに設置できる特徴があります。また、協働ロボットによる26kgの重量物の安定した搬送動作が可能です。
豊田自動織機は、この「UR10e」と、従来のバランサー(重量物を支える装置)を組み合わせたハイブリッド解決策を採用しました。バランサーが力を補助することで、UR10eの可搬重量不足を補い、滑らかな動作を実現しました。これにより、生産現場の柔軟性とセキュリティ、使いやすさが向上しました。
3. 自動化のメリット
この新しい自動化ソリューションを導入することで、作業工数が削減され、オペレーターは隣接するラインのサポートなど、他の業務にも対応できるように進化しました。また、豊田自動織機は引き続き、他の製造ラインでも同様の自動化を進める計画です。
4. 企業の展望
豊田自動織機の山田英貴課長は、自動化の導入において、コンパクトさと安全性が高い解決策の重要性を強調しています。自動化を進めることが、生産現場の効率向上につながると確信しています。また、担当の清水達也グループ長は、アプローチの柔軟性を大切にしながら、作業現場での挑戦を重ねていく意義を語ります。
一方で、URの山根剛代表は、協働ロボットの採用理由として操作性の良さや他の設備との連携の柔軟性を挙げ、この新たなパートナーシップを前進させることの重要性を話しています。
5. まとめ
この取り組みは、豊田自動織機の自動化を進める重要なモデルケースとなるでしょう。今後は、他工場への展開や、新たな自動化ソリューションの開発へとつながっていくことが期待されます。効率的かつ安全な作業環境を追求する豊田自動織機の挑戦は、製造業における新しいスタンダードを生み出す可能性を秘めています。