バレエの名作『白鳥の湖』、再び映画館で
ロイヤル・バレエ団の不朽の名作『白鳥の湖』が、特典映像を加えたアンコール上映として、5月16日から1週間限定で映画館に登場します。この作品は、2018年に31年ぶりの新演出で発表され、多くの観客を魅了しました。特に、王子ジークフリート役のマシュー・ボールと、オデット役のヤスミン・ナグディが織りなす素晴らしいパートナーシップが話題となっています。
『白鳥の湖』のストーリー
作品は、女王の顧問に化けた魔王ロットバルトによって支配される宮廷を舞台に、誕生日を迎えた王子が、白鳥の姿を持つ美しい女性オデットと出会い、彼女への不朽の愛を誓う物語です。だが、オデットは魔王の呪いに囚われていて、夜の間だけ人間の姿に戻ることができるのです。王子が選ばなければならない花嫁や、オデットにそっくりなオディールとの出会いが、物語をより緊迫させます。
マシュー・ボールの感性と役作り
マシュー・ボールは、今作品への愛情を語ります。彼が演じるジークフリート王子は、王室の重圧や逃げ出したい気持ちといった複雑な感情を内包しています。彼は一見完璧な貴公子ですが、その背後には、自由を求める人間らしい思いも存在するのです。この役を演じる上で、彼は自分自身の経験や、19世紀の美術や音楽の影響を受けています。画家カスパー・フリードリッヒの『雲海の上の旅人』から得たインスピレーションが、彼の役作りに深く結びついているとも語っています。
知識とインスピレーションの探求
マシューは最近、『白鳥の湖』に関する本やチャイコフスキーの音楽について学び、作品の深い背景を理解することを重視しています。歴史的な文脈や他の作品とのつながりを吟味することで、役へのアプローチが一層豊かになるのです。彼が目指すのは、表面的な演技ではなく、キャラクターの内面的な深みを引き出すことです。
複雑なキャラクターへの挑戦
バレエ界では彼は、ただの美しい王子だけでなく、ダークで複雑な役にも挑戦を続けています。彼が演じる役柄には、観客に深い印象を与えるための複雑な内面が求められています。ロイヤル・バレエでは、『ロミオとジュリエット』のロミオや『オネーギン』のタイトルロールなど、多面的なキャラクターに挑戦しています。
日本への愛とダンサー仲間との絆
彼は、日本のファンのサポートにも感謝を示し、特に「ワンピース」のキャラクターからインスピレーションを得ると話します。勤勉さや、一生懸命働く姿勢が彼自身のモチベーションにつながっているのです。さらに、ヤスミン・ナグディとのリハーサルでは、相手を理解し合いサポートし合うことが、二人の演技をより深く素晴らしいものにしていると話します。
総じて
ロイヤル・バレエの『白鳥の湖』は、新たな魅力を問いかけながら映画館に帰ってきます。この作品を通じて、観客もまた、感動的な物語へと引き込まれることでしょう。マシュー・ボールとヤスミン・ナグディのパフォーマンスが、どのような新しい体験を提供してくれるのか、ぜひ楽しんでください。