コシノジュンコが手掛ける南海電鉄の新制服デザインに込められた思いとは

南海電鉄の新制服デザイン

南海電気鉄道株式会社は、創業140周年を記念し、新たにリニューアルされた制服と作業服のデザインを発表しました。特に注目すべきは、国際的なファッションデザイナーであるコシノジュンコが手掛けた新制服です。2025年4月1日から運輸部門に導入されるこの新たな制服は、約2,000名の従業員が着用することになり、技術部門の作業服も2025年夏ごろから導入予定となっています。

コシノジュンコが描く新たな制服のビジョン

新制服のデザインにおいて、コシノジュンコさんは『UNITY』というテーマを掲げています。これは、制服が持つチームワークや連帯感の重要性を示すもので、同じ制服を着ることで生まれる共通の意識と共鳴を象徴しています。過去の制服と比べて、色調はディープネイビーからチャコールグレーに一新され、ブランドカラーがアクセントとして取り入れられたフォーマルなデザインが特徴です。

「安全・安心の伝統を守りながら、新しい感性やニーズに応える」ことを目指すこの新デザインは、地域に根ざした信頼性を重視しています。また国際的な顧客にも通用するデザインが求められており、見た目の取り入れ方や触り心地も重要視されています。

ジェンダーレスの取り組み

特筆すべきは、ジェンダーレスなデザインを導入した点です。従来の制服では女性従業員にリボン、男性にネクタイという差異がありましたが、新制服では性的差異をなくし、男女共通のネクタイを採用しています。そのため、すべての従業員が同じ立場で着用しやすい構造となっており、より快適な着心地を実現しています。

従業員の意見を反映したデザイン

コシノジュンコさんは、実際のデザインにあたり、従業員からの意見も多く取り入れました。ポリエステルを主体とした生地を使用し、家庭で洗濯可能でシワになりにくい仕様に設計。消臭機能のあるテープも施されており、接客業務にも適した清潔感を保てる作りとなっています。さらに、動きやすさを考慮し、可動域を広げるためのマチや伸縮性のあるデザインが施されています。