日本初の試み「夢育て1.0」とは
株式会社ファミリーマートが、自社の農場で働く知的障がいのある社員を対象にした新しい認知発達支援プログラム「夢育て1.0」を導入しました。この取り組みは、日本の企業の中で初めての試みであり、社員の成長を後押しすると思われる期待が高まっています。
背景と目的
ファミリーマートは、「ダイバーシティ&インクルージョン」を推進する一環として、知的障がい及び発達障がいを持つ社員が持つ潜在能力を引き出し、より豊かなキャリアを形成することを目的としています。現在、農場で働く社員たちは、千葉県流山市の畑で有機野菜の栽培に尽力しており、今回のプログラムによって、作業の幅を広げられることが期待されています。
このプログラムの導入により、知的障がいがあっても自立し、貢献できる職場づくりを目指しています。社員一人ひとりが成長を実感しながら、自立した生活ができるよう支援することがファミリーマートの大きな目標です。
「夢育て1.0」の詳細
「夢育て1.0」は、認知発達教育の「フォイヤーシュタインメソッド」と「ブレイン・ジム」、さらに主体性を育む「夢や希望を語る時間(夢語り)」を組み合わせた独自のプログラムです。このプログラムは、農場社員に対して約1年間、毎週水曜日に実施されます。
プログラム内容
- - 座学: フォイヤーシュタイン理論に基づいた認知発達教材を使用し、学びを深めます。
- - 実技: 「ブレイン・ジム」を通じて体の使い方を学び直し、学習能力や集中力を高めます。
- - 対話: 「夢語り」では、自身の未来や希望について語り合い、主体性を育みます。
実施体制
プログラムは、株式会社夢育ての有資格者が講師として介入し、ファミリーマートの社員と連携しながら進行します。また、実際の農業作業においてOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)も行われるため、学んだ理論を実践に活かすことができる環境が整っています。プログラムの効果は、開始前と終了後に行われる認知アセスメントによって測定される予定です。
期待される成果
この取り組みの背後には、ファミリーマートと夢育ての代表者からの強いメッセージがあります。広く社会に向けて、障がいがあってもキャリアを育成し続ける環境が整いつつあることを示しています。プログラムによる具体的な成果は2026年秋に発表される予定です。
専門家のコメント
兵庫県立大学の豊田教授は、フォイヤーシュタイン理論を基にした認知発達課題は多岐にわたる認知機能を統合的に活用できるよう設計されていると説明しました。また、ブレイン・ジムは運動能力や作業能力の基礎を養うため、農作業と相まって職能向上に大きな効果が期待されます。
まとめ
ファミリーマートの「夢育て1.0」は、知的障がいのある社員が自身の可能性を広げるための素晴らしい機会です。このプログラムを通じて、全ての社員が活き活きと働くことのできる社会の実現に向けた一歩となればと期待が寄せられています。ファミリーマートが描く「幸せな職場」とはどのようなものでしょうか。これからの展開から目が離せません。