EVシフトが進まない日本、ハイブリッド車支持の理由と本音

1. EVシフトの現状

株式会社ハッピーカーズが実施した調査によると、日本の消費者の約6割が次の車に「ハイブリッド車」を選びたいと考えています。これは、環境への意識が高まりつつある中で実用的な選択肢としての地位を維持していることを示しています。調査は3〜7年に一度は車を買い替える男女1,023人を対象として実施されました。調査期間は2025年10月21日から22日まで。結果として、ガソリン車を含む従来の車が根強く支持されている一方で、EV（電気自動車）の人気は相変わらず低迷しています。

2. 車の選択肢と購入意向の理由

調査結果から、次に買い替える車に対する意向として『ハイブリッド車（58.3％）』が最も多く、続いて『ガソリン車（48.4％）』『プラグインハイブリッド車（PHEV）（26.3％）』、そして『EV（26.0％）』が続いています。多くの人が実用的な側面からの安心感を求めていることが、この結果に如実に現れています。特に、日常的に走行する距離が長い人々がEVに対して興味を持っている傾向がありますが、依然として多くの消費者が充電インフラの不足やEV本体の高価格に懸念を抱いています。

3. EVを選ぶ理由

EV選択者の中で最も多くの支持を受けた理由は「ガソリン代がかからない（65.0％）」という経済的なメリットです。また、「補助金や減税といった優遇措置」が52.6％で続いており、さらに「家で充電できる便利さ」が44.7％といった日常の利便性も無視できません。これは、EVに寄せられる期待が高まっていることを示しています。

4. EV導入をためらう理由

一方で、EVを検討していない消費者の理由は明確です。「充電できる場所が少ない（59.3％）」が最多であり、続いて「本体価格が高い（46.1％）」や「充実距離への不安（43.6％）」などの実用面での懸念が影響しています。特に、充電インフラの未整備がEV購入の大きな障壁となっていることが、この調査からも明らかになりました。

5. 未来のEVシフトへ向けた期待

興味深いことに、調査によると「充電設備が増えればEV購入意欲が高まる」との回答は40.9％、また「補助金が増えれば前向きになる」と回答する人も40.2％に上りました。これは、政策や制度の変更がEV購入に大きな影響を与える可能性を示唆しています。

6. 結論

今回の調査結果から、日本におけるEVシフトは十分に進んでいないことが浮き彫りになりました。ハイブリッド車が圧倒的な人気を誇る理由については、経済的なメリットやインフラの整備が億劫なことが含まれています。「条件さえ整えば購入したい」という意見も多く、EVの普及は可能性を秘めています。今後、充電インフラの拡充や価格の低下が進めば、EVが普及するのは確実です。

多くの人々が期待をかけるEVですが、現実的にはハイブリッド車が選ばれ続ける背景には、安心感が大きな要因となっています。これからのEVシフトは、充実したインフラを遅れずに整えることで、より多くの消費者の心をつかむことができるでしょう。EV普及の鍵は、生活者が安心して選べる環境作りにかかっていると言えます。