京都芸術大学がトヨタ自動車とともにデザイン思考を探求
京都芸術大学の情報デザイン学科は、一般社団法人日本デザイン思考協会、及び株式会社カクシンと共同で「デザイン思考」に関連する授業を開始しました。この授業では、特別講師としてトヨタ自動車の社員が招かれ、学生たちが「移動の未来を考えよう」というテーマのもと、実践的な学びを体験しました。
デザイン思考の授業概要
今回の授業は、実際の問題解決に焦点を当てたもので、デザイン思考の基本的な手法を学ぶ機会とされています。授業は後期にわたり、3つの異なるテーマのもと14回にわたって実施されます。企業からの講師を招き、実践的な授業を展開することが予定されています。
デザイン思考とは何か
デザイン思考とは、問題解決やイノベーションを促進するための手法であり、特に人間中心のアプローチが重要です。このメソッドでは、ユーザーのニーズを深く理解し、共感から生まれる洞察を基に、創造的で実用的な解決策を模索します。主に「共感」「課題定義」「アイデア創出」「プロトタイプ」「テスト」の5つのステップから成り立っています。
1.
共感(Empathize): ユーザーの視点に立ち、彼らの経験や感情を理解します。これにより、本質的な問題を考察する第一歩となります。
2.
課題定義(Define): ユーザーから得られた情報から、具体的な課題を明確にします。
3.
アイデア創出(Ideate): 多様な視点から自由にアイデアを発想します。批判をせず、創造的な解決策を探し求めます。
4.
プロトタイプ(Prototype): 発想したアイデアを形にし、簡易モデルを作成しユーザーに試してもらいます。
5.
テスト(Test): プロトタイプをユーザーに試してもらい、そのフィードバックからアイデアを改善していく段階です。
このプロセスを経ることで、企業も学生も共に学び合う貴重な機会となります。特にトヨタの場合、未来の移動手段に対する柔軟で新たな視点が学生によって提供され、双方にとって多くの気づきを得る場が生まれました。
グループワークと最終プレゼンテーション
授業の初回では、学生たちはグループに分かれてアイデアを考え、最終プレゼンテーションに向けてトヨタの社員に結果を発表しました。また、最終回には各グループごとに独自の「移動の未来」を提案し、提案内容は多岐にわたりました。移動手段の提案に加え、それに付随するサービスやアプリ、システムについても発表が行われました。
トヨタ社員からは「柔軟な発想が多く、興味深い発表方法だった」といった評価が寄せられるなど、学生たちの取り組みが高く評価されました。このような体験を経て、学生たちはモビリティの未来に寄与する新たな可能性を感じ取ることができたでしょう。
企業とのコラボレーションの意義
トヨタの社員は、学生たちの自由な発想に感銘を受け、「若い世代との交流を通じて新たなインスピレーションを得ることができた」との声も。企業との共同授業は、学生にとっての学びを深めるだけでなく、企業側も新しい視点やアイデアに対する貴重な体験となります。この取り組みを通じて、次世代のイノベーションを担う人材が育成されるのです。
京都芸術大学、一般社団法人日本デザイン思考協会、株式会社カクシンは、それぞれが持つ教育とビジネスを融合させ、未来を共に創造する意義深いプロジェクトを促進しています。このような取り組みは、学生が社会に出た際に必要なスキルを身につけ、実践的な経験を得る上で大変重要です。今後もこのようなコラボレーションが続くことが期待されます。