レクサスとタジマのコラボレーションが生んだ特別仕様車の刺繍美

自動車業界と刺繍業界との新たな挑戦が実を結びました。タジマ工業株式会社が手掛けた技術が、特別仕様車であるレクサスのフラッグシップクーペLC“PINNACLE”に光を与えています。このコラボレーションは、デザイン美と高い技術力の融合から生まれたもので、タジマが自らの専門技術を駆使して作り上げたグラデーション刺繍が、その魅力を一層引き立てます。

グラデーション刺繍の魅力

“PINNACLE”の助手席インストルメントパネルには、タジマの技術が堪能をに織り込んだグラデーション刺繍が施されています。この刺繍は、自然の風景をインスパイアの元にデザインされ、繊細な糸の重なりによって生まれる美しさと優雅さが、自動車のインテリアに新たな価値をもたらしています。インテリアに用いられたカラーは、サドルタンとホワイト、ブラックとホワイトの二種類。どちらも異なる印象を与え、乗る人々の心を掴んで離しません。

タジマ社の技術がどのようにレクサスのデザイン哲学を補完しているのか、そこにはArtとScienceが融合する真髄があります。両社の専門技術が反映されたグラデーション刺繍は、業界を超えるイノベーションを象徴しています。

2年の歳月をかけた開発過程

今回の刺繍技術の開発には、約2年の時間がかかりました。この間、タジマはデザインと品質という両面から検証を重ね、厳しい条件の下でも安定した品質が保てるよう試行錯誤を行ってきました。レクサスとタジマが培ってきた知識と価値観が組み合わさることで、特別な価値が創出されました。

豊かなデザイン性が求められる一方で、耐久性や安定性も重要です。刺繍技術が採用された背景には、そうした厳しいニーズが存在します。タジマグループWebマガジン「TAJIMAG」では、デザイナー同士の対話を通じた開発背景についてのインタビュー記事も掲載されています。

AI刺繍機が支える精緻な技術

タジマの特筆すべき技術は、AI刺繍機による高い品質の平準化と生産性の向上です。この機械は、微細な色むらの伴うステッチも安定して再現し、異なる質感の生地への適応も可能。i-TM（Intelligent Thread Management）とDCP（Digitally Controlled Presser foot）という最新技術により、一針ごとの調整が自動で行われており、品質の均一性を保ちながら生産効率を高めることが実現されています。デザイナーの意図を忠実に再現するその精緻さは、まさに技術の粋です。

タジマ工業の歴史と情熱

1944年に設立されたタジマ工業株式会社は、刺繍機メーカーとして長い歴史を持ちます。刺繍の繊細さと美しさに対し、AI技術を駆使したアプローチで、それまでの域を超えた品質を追求しています。また、多様化するニーズに応えるべく、業界を問わず刺繍ビジネスの変革を目指しています。近年ではソフトウェア企業との提携などを通じて、さらなる飛躍を目指しています。

タジマの刺繍技術は、世界中のラグジュアリーブランドやデザイナーからも支持されており、その情熱は今も色あせません。レクサスの特別仕様車に採用されたことで、その美しさを更に広く知ってもらえる機会が増えることでしょう。

【公式サイト】タジマ工業株式会社
【Instagram】 official_tajima_embroidery

車両に施された刺繍の美しさは、乗る人々に感動を与え、毎日の移動が特別な時間に変わることでしょう。そして、その背後にはタジマという職人たちの匠の技が潜んでいることを忘れてはなりません。