ボッシュ、新技術で中古車流通の透明化を実現
ボッシュ株式会社が、双日株式会社との提携を発表し、今後の中古車市場に大きな変革をもたらす技術「Bosch Car History Report」(以下、BCHR)の導入を進めることが明らかになった。2025年10月から岐阜県のJU岐阜羽島オートオークションで本格的に運用が始まる。
中古車販売の課題
日本の中古車市場では、事故歴や修復歴の有無が取引の信頼性に直結する。自動車公正取引協議会の規約により、修復歴のある車両は表示義務があるが、評価の精度は人の目による目視検査に依存する部分が大きく、信頼できる評価を得るのは容易ではない。このため、業界全体で人的リソースの不足に悩む声も多い。加えて、近年の車両はADAS(先進運転支援システム)が搭載されており、事故によるフレームの損傷がシステムの機能に大きな影響を与える可能性がある。
BCHRの技術的優位性
ボッシュが開発したBCHRは、EDR(イベントデータレコーダー)のデータを活用し、車両が記録した走行中の衝撃や加速度、傾きを基に過去の衝突履歴を視覚化・数値化する状況報告書だ。これにより、単なる目視検査ではなく、デジタルデータを用いて正確で効率的な車両評価が可能に。また、ボッシュはBCHRと併せて、双日が手掛ける外装スキャナーサービスも利用し、中古車の修復歴や事故歴を客観的データとして可視化する計画を進めている。これにより、中古車流通の透明性が大幅に向上することが期待される。
JU岐阜羽島オートオークションの取り組み
JU岐阜羽島オートオークションは、年間23万台にも及ぶ取り扱い台数を誇る業界大手だ。BCHRの導入により、これまでの中古車評価の常識が覆される可能性が高い。また、BCHRを活用した新たなサービスメニューの提供も計画されており、取引の信頼性向上に寄与することが期待されている。
先進的な提携
ボッシュ株式会社の代表者クリスチャン・メッカー氏は、「この技術により、中古車流通における信頼性を高め、消費者にとって賢い選択を可能にしたい」と語る。双日株式会社との協力により、より革新的で持続可能な未来を実現することが狙いだ。
この新技術がインパクトをもたらす瞬間を、ぜひ見逃すことのないようにしたい。中古車の購入を考えている人々にとって、BCHRはまさに待望のサービスとなるだろう。ボッシュと双日の連携は、新たな中古車市場のスタンダードを築く役割を果たすことになるだろう。