浪曲名人会に新たな風!人間国宝の京山幸枝若が熱演
国立文楽劇場が開場してから40周年を迎え、その歴史の中で昭和60年から続く『浪曲名人会』が再び開催されます。この特別な公演は、関西浪曲界のトップを担う浪曲師たちによる魅力的な演目が目白押しです。大トリを務めるのは、昨年に浪曲界初の人間国宝に認定された京山幸枝若さんです。彼がどのような演目を披露するのか、今回の公演の見どころをたっぷりとお伝えします。
様々な魅力を持つ演目
京山幸枝若さんが挑むのは『尾張大八』という比較的長いネタです。この物語では、阿呆のふりをしながらも、賢さが光る大八が主人公。お殿様の暴れ馬をどうにか止めようと奔走し、痛快な展開が待っています。特に、馬を取りに行った別当頭とのやりとりや、お父つぁんに止められた際の賢い言葉がポイントとなっており、観客に楽しみを提供する演出を心がけていると語ります。「人間国宝としての責任を感じつつ、期待に応えるパフォーマンスをしたい」、この言葉には彼の強い決意がこもっています。
そして、一緒に演目に臨むのは、曲師の一風亭初月さん、沢村さくらさん、虹友美さんです。
一風亭初月さんは、特に『尾張大八』が大好きだとし、このネタの持つ深い魅力を解説しています。阿呆な部分と賢い部分の語り分けが難しいものの、それを楽しむリスナーがいるからこそやりがいを感じると述べました。また、もう一つの演目『大高源吾笹売りの條』の魅力的な切り替え方にも力を入れるとしています。
沢村さくらさんの演目は『男一匹天野屋利兵衛』で、名作「忠臣蔵」を背景にしたストーリーが展開されます。内容は、赤穂義士のために内密に武器を準備する利兵衛の義侠心を描いており、特に子どもの火責めという衝撃的なシーンで観客の心を掴むことでしょう。
虹友美さんは、三原佐知子師匠の『異国の母』に出演。真摯な演技に引き込まれる観客の存在を感じながら、自らの演奏に心を込め、舞台の魅力を引き立てることを目指しています。彼女は、演奏においては弾きすぎないことを心掛け、お師匠様の演技を支えられることに誇りを持っています。
公演情報
公演は2025年2月22日(土)午後1時開演、終了予定は午後4時20分。チケットは一般4,200円、学生は2,900円です。予約は2025年1月18日からスタートし、電話やインターネットでの購入が可能です。詳細は、国立文楽劇場の公式ホームページで確認できます。
この浪曲名人会は、歴史を感じられる特別な舞台であり、最高峰の浪曲師たちが集結する貴重な機会です。皆様もぜひ、足を運んでその魅力を体感してください。