ヨドコウ桜スタジアムでの新しい顧客体験への挑戦
大阪府に位置するヨドコウ桜スタジアムが、エッジAIカメラの活用による実証実験を開始しました。この取り組みは、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)との協力で実施され、スタジアムの来場者情報をリアルタイムで分析し、運営上の課題を可視化することを目指しています。2025年度内には新たな顧客体験の導入を予定しており、さらなる期待が寄せられています。
スタジアムの現状と抱える課題
ヨドコウ桜スタジアムは、サッカーやラグビー、アメリカンフットボールをはじめとする多彩なスポーツイベントに年間32万人以上の来場者を迎えているほか、卒業式や結婚式など多様なイベントも年間130件以上開催されています。東京都内にある一般社団法人セレッソ大阪スポーツクラブが指定管理者を務めるこのスタジアムは、利便性の高い立地と充実した施設が魅力です。2021年4月にリニューアルオープンしてからほぼ5年が経とうとしており、より安心・安全な運営体制やマーケティング施策の強化が求められています。
エッジAIカメラの導入と利点
今回の実証実験では、スタジアム内の入場ゲートにエッジAIカメラを設置します。これにより、来場者の人数や性別、年代などをリアルタイムで判別し、データを視覚的に分析することが可能になります。これまで見えなかった課題の明確化や新しい施策の導入が期待されています。特に、物販品や飲食メニューの品揃えをAIカメラで分析し、来場者の嗜好に合ったサービスを提供することが新たな顧客体験の創出につながります。
さらに、混雑状況や危険の検知をリアルタイムで行うことにより、運営スタッフの業務効率化や来場者満足度の向上を図ります。
ai castによるデータ処理
エッジAIカメラ実証実験には、Idein株式会社が提供する「ai cast」を使用しています。このカメラは、デバイス内部でリアルタイムにAIデータ処理を実施するもので、素早く高精度な顔認識が可能です。加えて、被写体の動きから動線を推定し、効果的なデータ分析が期待できます。集めたデータはプライバシーに配慮し、個人情報を含まない形式でクラウドに保存されるため、安全性も確保されています。
CTCの支援体制
CTCは、イベント会場における人流データの可視化や集客分析の実績が豊富で、今回の実証実験でもニーズに応じた環境構築や運営支援を行います。専門チームによるデータの利活用や開発支援を通じて、ヨドコウ桜スタジアムのデジタルトランスフォーメーション(DX)を全面的にサポートする姿勢を打ち出しています。
将来への展望
本実証実験で得られる知見は、ヨドコウ桜スタジアムだけでなく、ショッピングモールやコンビニエンスストア、空港など、様々な集客施設への応用が期待されています。顧客満足度の向上と新たなサービスの展開に向けて、引き続き技術とアイデアの融合が求められています。今後もこの取り組みが、私たちの日常にどのような変化をもたらすのか大いに注目したいところです。
まとめ
エッジAIカメラを活用した実証実験は、ヨドコウ桜スタジアムの運営に新たな風を吹き込むことが期待されています。これからの進展に目が離せません。