日本初の家庭向けV2G/V2H実証プロジェクトがスタート
最近、5社が連携し、家庭での電動車(V2G/V2H)を使った革新的な充放電実証プロジェクトを開始しました。この取り組みは、2055年に向けたカーボンニュートラル社会の実現を加速するもので、家庭用電動車の充電と放電の最適化を通じて、電力系統の安定に寄与することを目指しています。
プロジェクトの背景と目的
カーボンニュートラル社会の実現には、発電側での再生可能エネルギーの導入が重要です。しかし、太陽光発電などの再エネは発電が日中に集中し、電動車の充電は帰宅後の夕刻に集中するため、電力系統の負荷が偏ることが課題とされています。このプロジェクトでは、電動車からの充放電を活用しいかに効率よく再エネを利用するかが鍵となります。
導入されるシステムは、電動車オーナーが自宅で充放電器を接続し、専用アプリを通じて充電完了時間や希望のバッテリー量を設定することで、自動的に経済的に最適な充放電を行います。これにより、再エネの利用促進と電力系統の安定化を図ることができます。
実証プロジェクトの詳細
この実証は2025年11月から2026年3月までの間に行われます。東京都の電力消費者を対象に、ニチコンの充放電器を使い、MCリテールエナジーの市場連動型電力プランと連携します。このプランは電力市場の価格に連動し、時間帯によって経済的なメリットを最大化します。
実証に参加する電動車オーナーは、リアルタイムで電動車のバッテリー充電情報を確認でき、さらに充電状況に応じて電力を供給したり、逆に車両から放電したりすることが可能です。これにより、電動車が単なる移動手段だけでなく、家庭の電力供給源となる画期的な仕組みが実現します。
各社の役割
この取り組みには、MCリテールエナジー、ニチコン、三菱自動車、Kaluza、Kaluza Japanの5社が参加しており、それぞれが異なる役割を持っています。MCリテールエナジーは電力プランの設計・提供、ニチコンは充放電器の提供、三菱自動車は対象車両のデータ分析および参加者の募集、Kaluzaは充放電制御システムの開発を行います。また、Kaluza Japanはシステムの開発支援を担当しています。
まとめ
この家庭向けV2G/V2H実証プロジェクトは、電動車オーナーに新しい収入源を提供し、再生可能エネルギーの利用促進を図る革新的な試みです。今後の取り組みがカーボンニュートラル実現に向けてどのような影響を与えるか、今後のスクリーンセッションも楽しみです。