競泳選手のケガ研究
2026-08-05 13:43:23

ジュニア競泳選手のケガ再発率と成長段階に見る性差の研究

ジュニア競泳選手のケガ:性別と成長段階の影響



最近、新潟医療福祉大学健康科学部の研究チームが、ジュニア競泳選手のケガに関する重要な調査結果を発表しました。この研究は、性別や成長段階が競泳選手のケガのリスクにどのように影響を与えるのかを四年間にわたって追跡したものです。

研究の背景


競泳は特有の動作を繰り返すため肩や腰部、膝、足関節への負担が大きく、特に成長期においてはオーバーユースによる外傷が懸念されます。競泳選手は8歳前後から特定の競技に専門化する傾向があり、その結果、成長期には練習量や強度が急激に増加します。しかし、従来の研究の多くは成人や大学生を対象としており、幼少期から競泳に専念するジュニア選手を長期間にわたって観察した例は少ないのが現状です。

研究の概要


本研究では、競泳関連の外傷・障害の既往がない90名のジュニア選手(男子39名、女子51名)を対象に、2021年1月から2025年3月までの約4年間にわたり追跡調査が行われました。調査では、選手たちの外傷・障害の発生部位、重症度、再発の有無などが記録されました。

重要な発見


調査の結果、111件の外傷・障害が記録され、その発生率は1000アスリート・アワー(AH)あたり0.868でした。興味深いことに、女子選手の外傷発生率は男子の1.62倍に達し、再発率も男子より3.67倍高いことが明らかになりました。これは、女子選手が男子に比べて外傷が多く、特に再発のリスクが高いことを示唆しています。

成長段階の影響


さらに、成長スパートに関する分析から、推定身長発育最大速度年齢(APHV)の前後で外傷や障害が発生しやすい部位が異なることが分かりました。APHV前では足関節に関連した外傷が52.6%を占め、一方でAPHV後では腰部の外傷が22.2%に増加しました。このことから、成長段階において選手が抱えるリスクに応じた適切なケガ予防策の必要性が示されています。

研究成果の意義


この研究は、ジュニア競泳選手の外傷や障害予防において、単に年齢による一般的なアプローチに頼るのではなく、性別や身体の成長段階を考慮する必要があることを強調しています。特に女子選手においては、段階的な競技復帰や成長スパート前後の痛みのモニタリングが重要であると結論付けられます。

今後の展望


アスリート全体の健康を守るためには、さらに大規模な研究が求められます。本研究では、単一のスイミングクラブに限定された観察研究であるため、更なる対象者の増加や詳細なデータ収集が今後の課題となります。スポーツと医療技術の融合を進め、次世代の選手が安心して競技に専念できる環境を整えることが重要です。

本研究の詳細は、国際誌「Exercise, Sport, and Movement」に2026年5月14日に公開されます。興味のある方はぜひご確認ください。


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