MathWorksによる新次元のAI活用
2026年4月27日、米マサチューセッツ州ナチックを本拠地とするMathWorks社は、MATLAB®とSimulink®の新バージョンであるRelease 2026a(R2026a)を発表しました。この新たなリリースでは、組み込みシステム開発に向けた革新的なAI機能が導入され、エンジニアの生産性向上に寄与することが期待されています。
新機能の概要とその利点
R2026aの注目すべき点は、エンジニアリングチームが設計の厳密性やトレーサビリティを保ちながら効率的に作業を進められるよう支援する機能の追加です。具体的には、モデルベースデザインをサポートする
Simulink® Copilotと、組み込みソフトウェアのコード解析品質を向上させる
Polyspace® Copilotが登場します。これにより、ソフトウェア開発や検証プロセスがスムーズに進行できるようになります。
MathWorksでは、エンジニアリング向けAIの導入を二つの方法で進めています。第一に、MATLAB Copilot、Simulink Copilot、Polyspace Copilotの製品内での実装。第二に、MATLAB MCP Core ServerやMATLAB Agentic Toolkitを通じて、それらの機能をエージェント型ワークフローに統合する方法です。この2つの技術革新により、エンジニアリング部門のマネージャーは、設計内容を迅速に理解し、ソフトウェアの問題を早期に解決し、一貫したワークフローを適用することが可能になります。
エンジニアリングの現場での具体的な応用例
MathWorksのDesign Automation開発部門で製品管理とマーケティングを担当するAvinash Nehemiah氏は、「生成AIによる機能を活用することで、エンジニアリングチームの生産性が大きく向上します。しかし、この向上が厳密性や信頼性に影響を及ぼさないことが重要です。MathWorksは、複雑な工学システムに必要な規律を維持しながら、迅速な作業の支援に努めています」と述べています。
Simulink Copilotは、ユーザーのモデルやプロセス、MathWorksのドキュメントに基づき、エンジニアリングの文脈に合ったガイダンスを提供します。モデルの説明文を自動生成したり、モデル内の関連ブロックの特定や課題解決手順を提案します。これにより、エンジニアは短時間で設計作業を進めることができます。
Polyspace機能の強化
引き続き、R2026aではPolyspace Copilotが導入され、静的解析の結果を基にしたガイダンスを提供します。これにより、エンジニアは効果的に課題を特定し、解決策を見つけやすくなります。また
Polyspace as You Codeでは、コード作成時にC/C++のコーディングルールをチェック、コーディングの欠陥や脆弱性を特定します。これらの機能により、開発ライフサイクル全体を通じてソフトウェアの質が向上します。
その他の新機能
R2026aにはさらに、Polyspace製品ファミリー全体での機能向上が見られます。具体的には、構成と結果管理を統合した新しいPolyspaceデスクトップアプリ、カスタムチェッカーなどを通じたPolyspace Bug Finderの拡張、ランタイムエラーの解析に役立つPolyspace Testのサニタイズ機能などがあります。これらにより、開発から検証にかけるソフトウェア品質業務がより一貫したものになり、効率的なワークフローが実現されます。
エンジニアのための新たなツール
また、MATLAB Course DesignerやSimulink FMU Builderなどの新製品も発表され、エンジニアが教育やモデリングに一層自由に取り組むことができるようになっています。
結論
MathWorksが提案するR2026aは、エンジニアリング分野に新たな風を吹き込むこと間違いなしの革新です。AI技術を活かしつつ、厳密性を維持したまま開発プロセスを加速させるこの新しいツールセットは、エンジニアや科学者にとって多くの可能性を秘めています。今後のプロダクトや機能向上に期待が寄せられます。