自動車内装材を再生する新素材、REOCAの登場
未来の道路を切り拓く取り組み
リファインバースグループが自動車内装材の裁断時に発生する端材を活用し、マテリアルリサイクルを実現した新しい素材「REOCA」を開発しました。2021年12月8日より発売が開始されます。この製品は、今日の持続可能な社会の実現に向けて、廃棄物を有効に活用する取り組みの一環として注目されています。
開発の背景
年間で約140,000トンもの自動車内装材が廃棄され、その多くは焼却処理されていました。特に日本国内では約16,000トンが発生し、これまでは再資源化が困難な素材と見なされていました。リファインバースグループは20年以上にわたり、廃棄物のサーキュラーエコノミーの推進に取り組んできました。さらに、トヨタ紡織との協業により、内装材の再資源化についての研究が進められた結果、世界初の自動車内装材からアスファルト改質剤へと転換するマテリアルリサイクルの開発に成功しました。これにより、今まで捨てられていた資源に新たな価値が生まれ、「Car to Car」の広義の循環が実現しました。
REOCAの特長
リファインバースグループのREOCAをアスファルトに0.2%添加することで、一般的な改質アスファルトと比較して耐久性が約2.3倍向上するとされています。今後、自動運転技術などが進む社会では、道路にかかる負荷が集中するため、耐久性がより求められることが予想されます。REOCAの使用によって、わだち掘れを抑制し、舗装の長寿命化が期待され、メンテナンスや改修のコスト削減にもつながります。
CO2の削減
REOCAは、従来のサーマルリカバリーからマテリアルリサイクルへと転換することで、約90%ものCO2排出を抑制できることが証明されています。また、REOCAを使用することで、アスファルト製造時にも約40%のCO2削減が可能とされています。これにより、資源循環とインフラの課題を同時に解決する新しい舗装ソリューションとしての期待が高まっています。
実証実験
2025年3月には、リファインバースグループ一宮工場にて、REOCAを用いた駐車場舗装の実証実験が実施されました。実際の使用において、高い舗装性能が維持されていることが確認されています。この取り組みは、今後の店舗や工場、物流拠点での活用へと広がっていく予定です。
未来への展望
リファインバースグループは、今後も自動車内装材の再資源化を推進し、持続可能な社会への貢献を目指します。また、トヨタ紡織との協業を強化し、資源循環の取り組みを進めていく方針です。多様な素材の再生に取り組むことで、更なる革新を生み出し、未来の富をつないでいくことでしょう。