マレリとOLEDWorksがAutoTech賞受賞
2025年に開催されたAutoTech Awardsにおいて、マレリとOLEDWorksの両社が「年間最優秀協力パートナーシップ」賞を受賞しました。本賞は、革新的な自動車技術の導入を促進する企業の技術的成果を称賛するもので、特にアウディQ6 e-tronのリアライト・プロジェクトにおける両社の優れたコラボレーションに焦点が当てられています。
授賞式の詳細
授賞式はミシガン州ノヴィで行われ、マレリの北米照明事業責任者であるスティーブ・ミュンチ氏とOLEDWorksのグローバル・マーケティングディレクター、キャスリーン・ミラー氏が出席し、チーム全体を代表して受賞の喜びを分かち合いました。
「この賞は、自動車業界に革新をもたらした取り組みを評価するもので、私たちの協力の成果を示しています」とミュンチ氏は語ります。
デジタルOLED 2.0技術
受賞の要因となったのは、アウディのビジョンに基づいて開発されたデジタルOLED 2.0技術です。この技術を用いたテールライトは、世界初の60セグメントOLEDライト・パネルから構成され、外部ディスプレイと連携して周囲へのコミュニケーションを可能にします。この実装により、運転手は8種類のデジタル・ライト・シグネチャから選択することができ、個性的なスタイルを表現しながら安全性を向上させることができるのです。
アウディQ6 e-tronに取り入れられるこのシステムは、従来のOLEDパネルが持っていた限界を大きく超えるものです。これまでのパネルは最大10セグメントのみでしたが、今回の新しい技術により、より多くのセグメントを一元的に制御できるようになりました。これによって、製造や設置にかかるコストやスペースも削減されつつ、エネルギー効率も向上しています。
高速通信技術
この協力の中で採用されたCAN-FD通信バスは、従来の自動車では使用されてこなかった新しい試みです。この通信方式により、各セグメントの立体的な動きを実現し、驚くべきリフレッシュレートの更新が可能になりました。10ミリ秒ごとの更新が可能なため、多彩なアニメーションやシグネチャが簡単に作成でき、それによりデザイン性も高まっています。
市場への影響と将来の展望
マレリの照明事業部長フランク・フーバー氏は、「我々は先進的な照明ソリューションでモビリティの未来を形作るために全力を尽くしています。」と述べています。また、OLEDWorksのCEOであるデビッド・デジョイ氏は、このプロジェクトの成功が自動車照明業界の新たな基準を示すものであると強調しました。
デジタルOLED 2.0リアライトは、アウディの未来の車両設計における重要な要素であり、車両間のコミュニケーションを可能にする新しい手段を提供しています。このコラボレーションは、技術革新、安全性の向上、個性化の促進という共通の目標に基づいており、未来の自動車照明の可能性に新たな道を開くものです。
結論
今後もマレリとOLEDWorksのパートナーシップは、さらなる革新をもたらし、自動車業界におけるディスプレイ技術の進化に大きく寄与することが期待されます。両社が今後どのような技術を開発し、自動車業界をどのように変革していくのか、その動向から目が離せません。