ベントレー新エンブレム「ウィングドB」の誕生
2025年7月、ベントレーが新たに導入したエンブレム「ウィングドB」が話題を呼んでいます。これは106年に及ぶベントレーの歴史において、4度目のエンブレムの刷新となります。新エンブレムの発表は、ただのデザイン変更に留まらず、ベントレーの未来に向けた革新の象徴でもあります。これまでのデザインから進化を遂げた新しい「ウィングドB」を詳しく見ていきましょう。
新デザインの背景
新しい「ウィングドB」は、7月8日に発表予定の未来型コンセプトカーに実装されます。このコンセプトカーは市販される予定はありませんが、ベントレーのデザインディレクター、ロビン・ペイジが率いるチームのビジョンを具現化したものとして、多くの注目が集まっています。ベントレーがデザインとブランドの未来に進む決意を表現するために、最新のデザインスタジオを開設し、その開設式に合わせて発表されるこのエンブレムは、非常に重要な意味を持っています。
初代の「ウィングドB」は、1919年に著名なアーティスト、F.ゴードン・クロスビーによって考案されました。それ以来、エンブレムは何度も進化を繰り返しつつも、ブランドのヘリテージを常に反映し続けてきました。今回のデザインは、最も大胆かつ象徴的な進化として注目されています。
新エンブレムのデザインコンセプト
ロビン・ペイジ率いるデザインチームによって創り上げられた新エンブレムは、春のデザイン競技から選ばれたヤン・ナムによるアイデアを基にしています。新しい「ウィングドB」は、かつての伝統を継承しつつ、現代的なアプローチで再構築されています。特に注目すべきは、翼に施されたダイヤモンドパターンや中央の「B」に施されたジュエルモチーフです。このデザイン要素は、煌びやかさと同時に、ベントレーの歴史を感じさせる非対称な形状が特徴です。
新たな翼部分の形状は、ダイナミックで力強い印象を与え、ハヤブサの羽ばたきが想起させられます。シルエットはクリーンで洗練されており、流れるようなラインが目を引きます。また、「B」の部分も独自にブランドアイデンティティとして確立されており、ロゴやその他のグラフィックに柔軟に活用できるデザインになっています。これにより、ベントレーのクラフツマンシップが凝縮されたエンブレムが完成しました。
歴史的背景と進化
ベントレーのエンブレムは、その誕生以来常に「B」の文字を軸に、両翼のデザインが特徴的です。このデザインは、創業者W.O.ベントレーが掲げた「卓越したパフォーマンスの追求」を象徴するもので、クロスビーによって生み出されました。第一次世界大戦中の航空エンジン設計経験が影響を与えているとも言われています。
その後、1931年にロールス・ロイスの傘下に入った際に、第2世代のエンブレムが登場しました。このデザインは、よりシンプルでエレガントなスタイルへと進化し、最も長い期間使用されました。1998年にはフォルクスワーゲンによる買収後の新たな世代として、04年には初代コンチネンタルGTの登場を経て、エンブレムデザインが基礎に戻るという形で進化しています。
新エンブレムの発表イベント
新「ウィングドB」は、7月7日に英国クルー本社にて開催される新デザインスタジオの開設式でお披露目されます。この新スタジオは、1938年に建設された本社ビル内に設立され、今後のデザインの中心となる予定です。続く7月8日には、この新エンブレムが装着された未来型コンセプトカーが披露されます。この一連の発表イベントは、ベントレーが掲げる革新の未来を象徴するものと言えるでしょう。
【参考動画】
終わりに
ベントレーの新エンブレム「ウィングドB」は、ただのデザイン変更ではなく、ブランドの未来へ向けた明確なビジョンを示したものです。100年以上の歴史をもつベントレーが新たな一歩を踏み出す姿は、今後のモータースポーツや自動車業界にも大きな影響を与えることでしょう。