中古車市場の価格動向を追う
オークネット循環型経済ラボが2025年10月の「中古車市場価格指数」レポートを発表しました。このレポートは、中古車市場の価格動向をより正確に把握するために開発された新たな価格指数で、従来の「平均取引価格」だけでは見えなかった市場の動向を鮮明に浮かび上がらせています。
中古車市場価格指数の意義
日本では、中古車市場の動向を把握する際に「平均取引価格」が一般的に用いられていますが、この指標だけでは市場の質の変化を正確に捉えきれません。そこで、オークネットは東京大学エコノミックコンサルティング(UTEcon)と協力し、「リユース流通価格指数」を開発しました。これにより、実際の中古車価格の上下をより客観的に測定できるシステムが構築されました。
毎月20日に更新されるこのレポートは、年間40万台を超える会員流通データに基づいています。これにより、中古車市場の多様な属性を統計モデルに組み込むことができ、実態に即した動向分析が可能となります。
2025年10月のデータ分析
2025年10月のリポートによると、「中古車市場価格指数」は2008年7月を1とした場合に2.393となり、前月の2.356から1.56%増加しました。この指標は、中古車の「平均取引価格」とも密接に関連しています。平均取引価格も上昇しており、10月時点での95万4,740円でした。
特に注目すべきは、「中古車市場価格指数」と「平均取引価格」との比較です。指数が上昇している一方で、質の高い中古車の流通が減少しつつあることを示唆しています。これは、質が高い車両の品薄が進行中であることを意味し、その結果として相場が上昇している状況が伺えます。
ボディタイプによる分析
ボディタイプ別に見ると、特にミッドサイズの車両が3.5%上昇し、続いてミニバン、コンパクト、SUVカテゴリも上昇しています。一方で、バン・トラックは1%の上昇に留まり、ラグジュアリー車両は逆に0.84%の低下を記録しています。このようなデータは、エンドユーザーの選好における明らかなシフトを示しています。
循環型経済の視点
オークネット循環型経済ラボは、循環型経済の未来を描くための情報を発信し、持続可能な社会の構築を支援しています。1985年にリアルタイム中古車オンラインオークションを事業にしたオークネットは、循環型流通サービスを40年以上にわたり提供してきました。現在、世界中の研究者や専門家との連携を強化し、リユース市場の価格索引と市場動向分析に力を入れています。
オークネットの取り組みは、単なるビジネスの枠を超えて、持続可能な社会を構築するための重要なステップなのです。市場価格の指標を理解することにより、消費者はより良い選択をすることができ、業界全体の健全な成長が促進されることでしょう。
このように、オークネット循環型経済ラボによる「中古車市場価格指数」は、今後も多くの市場関係者にとって有益な情報源となることが期待されます。関心のある方は、ぜひ以下のURLから詳細なレポートをご覧ください。
2025年10月の中古車市場価格指数レポート