映画『採集する人々』の上映会について
2025年10月25日、東京外国語大学(東京都府中市)はパレスチナ映画『採集する人々(原題:Foragers)』の上映会を開催します。このイベントは、同大学が主催する「TUFS Cinema」プロジェクトの一環として実施されるもので、一般市民にも公開されます。目的は、映画を通じて世界の社会や歴史、文化に関する理解を深めることです。
映画『採集する人々』とは
本作は、イスラエルの占領下にあるパレスチナを舞台に、自然保護の名の下に規制される野草採集を続ける人々の様子を描いたドキュメンタリー映画です。ザアタルやアックーブと呼ばれる野草の採集を通じて、土地や暮らし、文化の結びつきについて考察しています。軽やかなユーモアを交えつつも、占領者による文化の略奪に抗う人々の姿を見せ、我々に「生きること」の根源を問いかける作品です。
なぜこの映画を東京外国語大学で上映するのか
東京外国語大学は、多言語・多文化共生の理念を持ち、国際的な問題に対して知的かつ共感的に取り組んできました。この上映会は、国際社会の課題を理解するだけでなく、映画という媒体を通じて「声なき声」に耳を傾ける機会です。大学の役割として、学術と市民社会が接点を持つ重要なイベントとなります。
開催概要
日時: 2025年10月25日(土)15:00上映開始
会場: 東京外国語大学 アゴラ・グローバル プロメテウス・ホール
住所: 東京都府中市朝日町3-11-1
プログラム:
- - 映画『採集する人々』本編上映(65分)
- - 上映後解説/トーク(50分)
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登壇者:
- 遠藤 徹(本庄からパレスチナへの会)
- 黒木 英充(東京外国語大学教授)
- 渡辺 晴海(東京外国語大学卒業生)
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司会: 大石 高典(東京外国語大学准教授)
料金: 入場無料、事前登録制(先着501名)
登録フォーム:
こちらをクリック
共催:
- - 東京外国語大学TUFS Cinema
- - 東京外国語大学国際社会学部大石高典ゼミ
- - TUFSパレスチナ連帯活動
- - 東京外国語大学フィールドサイエンスコモンズ(TUFiSCo)
協力:
- - 本庄からパレスチナへの会
- - 東京外国語大学多言語多文化共生センター
上映会HP:
TUFS Cinema
映画『採集する人々』について
春は野草摘みの季節。家族や友人たちと共に、野草を集めて分け合い、食卓を囲む。これはパレスチナの人々にとって大切な文化的な行為です。しかし、イスラエルの占領下で、この伝統的な採集が違法化されたという現実があります。
「ザアタル」と呼ばれるタイムの一種や「アックーブ」といった野草は、かつて地元の人々にとって欠かせないものだったにも関わらず、今やイスラエル人の集団農場で商品として栽培されています。
自然保護官によって厳しく監視される中でも、採集者たちは野に出続けます。見つかれば罰金または監獄という厳しい状況下でも、人々はどうにかして植物と共に生き続けています。このドキュメンタリーは、彼らの強い意思と創造性を映し出し、占領下での生活の現実と文化の意味を洞察する作品です。
本作は、フィクションとドキュメンタリー、アーカイブ映像を交え、パレスチナ人の生活を通じて土地と人間の自然なつながりを考えるきっかけを提供します。さらに、この映画は、イスラエルによる占領下でのパレスチナ人の苦闘を芸術として表現し、私たちに生きる意味を問い直す手助けをしてくれることでしょう。