初春文楽公演で新年を祝おう
新年の幕開けとともに、国立文楽劇場が贈る年中行事として定番の「初春文楽公演」が、来る2025年1月3日に初日を迎えます。今回の公演では、28年ぶりに上演される時代物の名作『新薄雪物語』を始め、伝統的な演目が盛りだくさんです。文楽ならではの魅力を堪能できるこの機会をお見逃しなく!
第1部:『寿式三番叟』『摂州合邦辻』
華やかにスタートする第1部は、祝いの言葉を奏でる『寿式三番叟』から始まります。人形たちが祝福の舞を披露し、観客を引き込みます。続いて上演される『摂州合邦辻』では、後妻・玉手御前が義理の息子に片思いをするという切ない恋模様が描かれます。この演目では、玉手の父である合邦が娘に対して不本意ながらも怒りを表し、玉手御前が命の危機に直面する中で驚愕の告白をするシーンが見どころとなっています。苦しい状況の中で、本当の思いを明かす姿に心を打たれることでしょう。
第2部:『新薄雪物語』
第2部では、28年ぶりに蘇る『新薄雪物語』が繰り広げられます。満開の桜が咲く清水寺を舞台に展開する、恋する園部左衛門と薄雪姫のロマンティックな物語。二人は鎌倉将軍家の権力争いに巻き込まれるも、親たちが我が子を守るために下した決断の重さが描かれます。親たちの真剣な姿勢が観客に強い印象を与え、命がけの愛の形が見ものとなります。
第3部:『壺坂観音霊験記』『連獅子』
続く第3部は、心温まる夫婦愛を描いた『壺坂観音霊験記』と、歌舞伎でも有名な『連獅子』が上演されます。特に『連獅子』では、文楽特有の三頭の獅子が舞い、親獅子、雌獅子、子獅子の共演は圧巻です。20年ぶりのこの上演の中で、獅子たちが織りなす毛振りの美しさは必見です。
新年恒例のイベントも
国立文楽劇場では、毎年お正月の象徴として「にらみ鯛」や「大凧」が舞台の上部に設置されています。令和8年の大凧には、その年の「今年の漢字」が清水寺の貫主によって揮毫されます。また、1月3日から7日の期間中には来場者限定でオリジナル手ぬぐいが抽選でプレゼントされるといった特典も用意されています。
新春の訪れを感じるこの時期、文楽の世界に触れて心を豊かにする素晴らしい体験は、年の初めを祝うには最適です。
公演情報
- - 第1部: 午前11時開演(午後1時50分終演予定)
- 演目:『寿式三番叟』, 『摂州合邦辻』
- - 第2部: 午後2時30分開演(午後5時20分終演予定)
- 演目:『新薄雪物語』
- - 第3部: 午後6時開演(午後7時50分終演予定)
- 演目:『壺坂観音霊験記』, 『連獅子』
チケット情報
料金は一部、二部ともに一般6,500円(学生4,600円)、三部は一般6,000円(学生4,200円)です。障害者の方とその介護者も割引が受けられます。ネット予約が可能なので、事前に確認してお楽しみください。
新春の特別な文楽公演に足を運んで、心に残るひとときをお過ごしください。