新たな物語が始まる!
2025年9月25日、月刊文芸小説誌『小説野性時代』の10月号(vol.262)が配信されました。リーダブルで豊かな物語が詰まったこの号では、特に注目すべき読切作品と連載の最終回が盛り込まれています。ここでは、その中から注目の作品をピックアップしてご紹介します。
注目の読切作品
相沢沙呼『昇る遺体』
この作品は、兄が殺人事件の参考人となってしまう衝撃の展開から始まります。妹の藍莉は名探偵・暁玄十朗と共に真相を探り、見事な謎解きが展開されます。新作ミステリーを期待する読者にとって、鮮やかなストーリーと巧妙なトリックに引き込まれること間違いありません。
似鳥鶏『残されたフィーネ』
小説家としての自身の試行錯誤を描いたこの作品は、執筆の効率化を追求するために編み出された斬新な手法がテーマになっています。読み手を楽しませる実験的な要素が満載の短編で、新たな小説の形を探求する姿が印象的です。これは、まさにルール無用の実験小説集『小説の小説』シリーズの一環として位置付けられます。
連載最終回も見逃せない!
この号の目玉は、安壇美緒による『イオラのことを誰も知らない』の最終回です。物語は、真実を求める旅の果てに衝撃の結末を迎えます。この作品は、読者に強い共感を呼び起こし、手にした光の中に見える真実は果たして何なのかを問いかけてきます。
さらに、藤岡陽子の『青のナースシューズ』も最終回を迎えました。成道が家族と学業の間で直面する最大の危機に、感情が揺れ動く瞬間を体験することができます。
連載作品の魅力
この他にも、安部若菜による『描いた未来に君はいない』や恩田陸の『産土ヘイズ』も充実しており、どちらもそれぞれ独自のテーマを織り交ぜながら進行しています。文化祭の準備を通じて遠く感じるヒロインへの思いや、令和のミステリ神話の再生といったテーマが見事に融合しています。
配信情報
『小説野性時代』の配信は毎月25日に行われ、電子書籍としてダウンロードできるほか、様々なプラットフォームでも利用可能です。定価は385円で、文芸小説を愛する多くの読者にとって手に取りやすい価格設定となっています。
新たなストーリーが目白押しの今号をぜひお楽しみください。個性的な作家たちによる新作や最終回に、心を躍らせること間違いなしです。