公益社団法人Civic Force(シビックフォース)は、災害支援を専門に行う組織で、1月24日、佐賀県鳥栖市で株式会社山陽パーツ (山口県周南市)との間で災害支援用トレーラーの引渡式を行いました。この取り組みは、災害発生時における迅速かつ効率的な支援体制の強化を目指しています。
引渡式では、Civic Forceが所有するトレーラーハウスの使用貸借契約書が交わされ、Civic Forceの代表理事である根木佳織氏がトレーラーの活用事例について説明しました。特に、2011年の東日本大震災においてトレーラーを無償貸与し、多くの被災者の宿泊や休息の場を提供した歴史があります。また、熊本地震や2020年以降の医療機関における感染対策スペースとしての利用例についても触れ、実績を強調しました。
根木氏は山陽パーツとの連携について、「初めて周南市を訪れた時にお会いしたことが始まりです。彼らの『被災地のために何かしたい』という思いに共感し、協議を重ねて今日の引渡式に至りました」と述べました。トレーラーを被災地に持ち込むという業務は簡単ではなく、平時からの準備やメンテナンスが不可欠だとし、この支援を受けることに心から感謝の意を表しました。
一方、山陽パーツの坂井圭二代表取締役は、「私たちはこの地域で事業を展開しているため、災害への備えが必要だと考えていました。根木さんの講義を受けて以来、社会貢献に向けた活動を模索してきましたが、トレーラーの支援を通じて社員の意識も高めたいと思っています」と力強く語りました。1968年創業の山陽パーツは、自動車部品や電装品の販売を行い、最近では企業版ふるさと納税を通じてCivic Forceへの支援も行っています。
今回引き渡されたトレーラーハウス「フェント・キャラバン」は、全長約7メートルの可動式居住空間で、キッチンや冷蔵庫、ベッドを完備しています。このトレーラーは、最大5人が生活できるスペースを提供し、耐震性にも優れています。災害発生時には、支援者や医療従事者にとっての宿泊や休憩スペースとして活用される予定です。
Civic Forceと山陽パーツの新たな連携は、今後の災害支援活動において非常に大きな意義を持つと言えるでしょう。この取り組みが、多くの人々に安心と助けをもたらすことを期待したいです。