オークネットが発表した2025年5月の中古車市場価格指数の詳細
株式会社オークネットは、2025年5月の「中古車市場価格指数」を公開しました。このレポートは、オークネット循環型経済ラボが作成したもので、日本における中古車市場の現状をより正確に把握するための新たな指標です。従来の「平均取引価格」では捉えきれなかった、中古車の質の変化を反映させることを目的としています。
新たな指標の必要性
中古車市場を理解するための指標として従来用いられてきた「平均取引価格」は、物価変動を正しく反映できない欠点がありました。特に、車両の質の変動を反映することが難しく、消費者は価格が上昇する背景や市場の変化に疑問を感じることが多かったのです。
このような課題の中、オークネットは東京大学エコノミックコンサルティング(UTEcon)と連携し、複雑な市場の実態を捉える「リユース流通価格指数」を開発しました。これによって、毎月の市場レポートがより具体的かつ有意義なデータを提供できるようになりました。
中古車市場価格指数の算出結果
2025年5月の「中古車市場価格指数」は、2008年7月を基準に2.185と前月の2.156から0.029の増加(1.36%)を記録しました。また、中古車の「平均取引価格」においては、同じく2008年7月を基準に1.498となり、前月の1.385から0.113の増加(8.18%)が見られました。このデータは実際の取引がどのように変化しているかを示す重要な指標となっています。
実際の取引価格は4月が85万6,080円、5月が92万6,070円という結果で、価格差や市場の変動を詳しく見ていくことができるようになっています。
中古車の質と流通比率の変化
「中古車市場価格指数」と「平均取引価格」の差に注目すると、中古車の同じ品質のクルマの相場は大きな変化がないものの、質の高いクルマの流通比率が上昇していることがわかります。一方で、質の低いクルマの流通比率は低下しているとのことです。このことから、市場が高品質なクルマを求めている傾向が浮き彫りになっています。
また、ボディタイプ別の市場指数を見てみると、コンパクトカーの流通指数が2.59%上昇したのが最高の上昇幅であり、ミニバン、SUV、ミッドサイズの車両でも上昇傾向が観察されました。ただし、バン・トラックやラグジュアリーセグメントでは下落が見られました。
なぜ「オークネット循環型経済ラボ」が重要なのか
オークネット循環型経済ラボは、1985年にリアルタイムの中古車オンラインオークションを開始した株式会社オークネットが運営しています。2022年に設立された同ラボは、循環型経済に関する研究やリサーチを通じて、未来の経済状況を展望しています。パートナーとして学術研究者や専門的なコンサルティングを行うUTEconなどとの連携も強化されており、今後の市場動向を見据えた分析が期待されています。
最後に
このような新しい指標の導入により、中古車市場の透明性が高まり、消費者はより良い選択を行えるようになります。2025年5月の「中古車市場価格指数」レポートは、今後の市場動向を理解する上での重要な資料となるでしょう。最新の物価指数にぜひご注目ください。