2026シーズンに向けたSUPER FORMULAの新たな一歩
日本で最も注目される自動車レースの一つ、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SUPER FORMULA)が、2026シーズンの開始に向けて新たな取り組みを発表しました。この取り組みは、国産のセルロースエタノールを基にした低炭素ガソリン(E10)の供給であり、次世代のアプローチを模索する中で重要なステップとなります。
この発表は、記者発表会として福島県大熊町で行われ、株式会社日本レースプロモーション(JRP)、次世代グリーンCO2燃料技術研究組合(raBit)、ENEOS株式会社の三者が共同で取組みを発表しました。特にraBitは、セルロースエタノールの製造技術研究を通じて、持続可能なレース環境の形成を目指しています。
新たな燃料技術の可能性
RaBitが開発した国産セルロースエタノールは、ENEOSのサポートを受けて、SUPER FORMULAの過酷なレース環境に耐えることができる低炭素ガソリン(E10)として特別に設計されます。この新しい燃料の導入は、環境への配慮とともに、パフォーマンスを損なうことなくレースの競技性を向上させることが期待されています。
JRPは、2023年9月からこの低炭素ガソリンを用いたテスト走行を開始し、2026年シーズンに向けてさらなる準備を進めていく予定です。具体的なテストは、2025年9月の富士スピードウェイで行われることが決まっており、既に参加するドライバーも発表されています。
記者発表会の様子
8月9日と10日には、東日本大震災からの復興に向けた取り組みを行っている福島県の大熊町にて、代表者たちが集まり、この新たな挑戦を記者に向けて報告しました。JRPの上野社長は、持続可能な技術革新がスーパーフォーミュラに新たなイベントを生み出すと確信していました。また、raBitの中田理事長も、環境に優しい燃料供給の意義について語りました。
テスト走行の詳細
2025年9月8日から11日に行われるテスト走行では、SF23開発テスト車両が使用され、特に注目されるのは通称「赤寅」と「白寅」と呼ばれる2台の車両です。「赤寅」の担当ドライバーは2016年シリーズチャンピオンの国本雄資氏、一方で「白寅」を運転するのは2013、2018、2020年シーズンチャンピオンの山本尚貴氏です。
このテストでは、低炭素ガソリン(E10)を用いた走行が行われ、実際のレースさながらの状況で燃料の機能を確かめることができます。将来的なレースシーンにおいて、どのような影響を与えるのか、非常に興味深い内容です。
まとめ
SUPER FORMULAの2026シーズンを見据えた低炭素ガソリン供給に向けた取り組みは、ただのレース燃料の切り替えではなく、環境問題への意識の高まりや持続可能な未来を築くための重要なステップです。これからの進展に目が離せません。