ビックの新たな資金調達が示すグローバルエンターテインメントの未来

ビックが描く新たなエンターテインメントの風景

エンターテック企業「ビック（BIGC）」が発表した最新の資金調達は、エンターテインメント業界に新しい波を引き起こしています。1400万ドルの資金を調達し、累計調達額はおよそ2400万ドルに達しました。この資金は、グローバル・エンターテックプラットフォームのさらなる成長を目指すものです。ビックは、アーティストとファンを繋ぐ「オールインワン・デジタルベニュー」プラットフォームを運営する企業であり、K-POPを中心としたエンタメビジネスの成長を牽引しています。

オールインワン・デジタルベニューの魅力

ビックのプラットフォームは、チケット販売からライブ配信、ファンとのインタラクション機能、動画OTT（映像配信）、グローバルコマース、ファンデータ分析等、アーティストインキュベーションに必要な全ての機能を一手に提供します。特に、AIを駆使した独自のライブ配信技術が魅力的であり、その能力は200以上の国と地域から集まったファンダムデータによって支えられています。このような強固なベースを持つビックは、短期間に海外ユーザーの集客に成功し、国際的な広がりを見せています。

130組以上のアーティストと提携

ビックは、これまでに韓国のメディア企業やK-POPアーティスト、約130組と提携を結んでいます。最近ではJ-POPや国際的なアーティスト、さらには音楽フェスティバルの分野にまでサービスを拡大しました。このような取り組みによって、サービス開始からわずか2年という短期間で224の国と地域に展開し、顧客基盤を110万人以上に達成しました。その内、約80%が海外ユーザーという事実が、ビックの国際的な魅力を物語っています。

急成長するデジタルエンタメ市場

今年に入ってからは、会員数が前年比13倍、売上は5倍に増加し、最近の6四半期連続での平均成長率が48%に達しています。この成長は、グローバルライブ公演市場の急成長におけるビックの役割を強調しています。現在、グローバルライブ公演市場は2020年の400億ドルから、2030年には1400億ドルに達する見込みです。オンライン公演の比率も2030年には35%にまで拡大するとの予測が出ています。

投資家の期待とビックのビジョン

このシリーズAラウンドは、STONEBRIDGEとBonAngels Venture Partnersが主要な投資家として参加し、成功を収めました。STONEBRIDGEのイ・ジョンヒョン常務は、「BIGCが単なるプラットフォームではなく、次世代エンターテックのスタンダードとなる可能性がある」と語り、今後の成長への期待を寄せています。

創業初期からビックを支えてきたBonAngelsのイ・スホン氏も、業界内での稀有な急成長を評価しており、今後のさらなる発展に期待感を示しています。

最後に

ビックは、オフライン中心のエンターテインメント業界に革新をもたらすために、「オールインワン・デジタルベニュー」を通じてオンラインとオフラインの境界を超えた新しい価値を創造していく意欲を見せています。代表のキム・ミヒは、「今回の資金調達は、アーティストとファンを結ぶための新たな出発点です。K-POPを越えた国際的なファンダム体験を実現し、デジタル革新の新たな基準を築いていきます」と述べています。今後のビックの展開に注目です。