新たな消火技術の誕生
株式会社モリタが、2026年7月に販売開始する予定の新製品、PFASフリー合成界面活性剤泡消火薬剤『ピュアヴェール』の開発を発表しました。この製品は、ガソリンやオイルといった可燃性液体による危険な油火災に適し、従来の消火薬剤の影響を排除した安全な選択肢として注目されています。
PFASとは?
PFAS(ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)は、強力な撥水性を持つため、多くの工業製品で利用されてきましたが、環境や人体へのリスクが懸念されています。実際に、日本では化審法に基づき、PFASを含む物質の使用が制限されるようになっており、製品への規制が強化されています。
このような背景の中で、モリタはPFASを一切使用せずに、高い発泡性能を実現する新しい消火薬剤の開発を急務とされていました。『ピュアヴェール』は、そのニーズに応える形で生まれた製品です。
高い消火性能
『ピュアヴェール』は、特許を取得した「精密界面制御技術」を採用し、複数の界面活性剤の協力で油面上に強固な界面膜を作り出すことができます。これにより、泡が速やかに広がり、重油などの表面を確実に覆うことで、可燃性蒸気の発生を抑制します。この過程で優れた再燃防止性能も確保されています。
幅広い火災に対応
本製品は、油火災(B火災)だけでなく、木材や紙が燃える普通火災(A火災)にも対応しています。低発泡から高発泡までの幅広い用途に適した特性を持つため、倉庫や物流施設での消火活動にも活用できます。
特に、B火災においては低発泡を利用し、泡が燃料表面を早く覆うことで効果的に消火できます。一方で、A火災においては高発泡が迅速に火災区域を泡で覆い、消火を助けます。
凍結リスクの軽減
また、『ピュアヴェール』は-10℃までの低温環境でも使用可能で、冬季の泡消火薬剤の凍結問題にも対応しています。これにより、四季を通じて安定した消火能力が期待できます。
今後の展開
株式会社モリタは、この『ピュアヴェール』を皮切りにPFASフリーの消火薬剤のラインナップを継続的に拡充していく意向です。環境問題を含めた社会的課題への対応を事業の戦略に盛り込み、安全で快適な社会づくりに寄与する企業を目指しています。
製品情報
- - 製品名: Non-PFAS 合成界面活性剤泡消火薬剤『ピュアヴェール』
- - 種別: 泡消火薬剤
- - 型式: 合成界面活性剤泡3%(-10℃~+30℃)
- - 内容量: 20リットル(1缶)
- - 希釈: 淡水、海水
新たな消火技術としての役割を果たす『ピュアヴェール』は、安全性と環境への配慮を両立させた製品として、大いに期待されています。