2025年カンヌ映画祭でのウーマン・イン・モーション賞、マリアンナ・ブレナンド監督に授与決定

2025年カンヌ映画祭での「ウーマン・イン・モーション」賞にマリアンナ・ブレナンド監督

2025年のカンヌ国際映画祭において、「ウーマン・イン・モーション」エマージング・タレント・アワードがブラジル人監督マリアンナ・ブレナンドに授与されることが発表されました。この賞は、映画祭の開催期間中に実施される「ウーマン・イン・モーション」オフィシャル・ディナーで授与されることになっています。ブレナンド監督は、2024年の受賞者であるマレーシア人監督アマンダ・ネル・ユーによって選ばれたことで、この栄誉に輝きました。受賞者には5万ユーロの賞金が贈られ、次回の長編プロジェクト制作の支援に使われます。

ウーマン・イン・モーションプログラムの背景

「ウーマン・イン・モーション」プログラムは、映画業界における女性の才能を支援し、男女の不平等を明らかにすることを目的にしており、2025年にはその創設10周年を迎えます。ケリングがこのプログラムを立ち上げた理由は、映画業界における女性の存在をより強調し、キャリアを築くための支援を行うことです。過去数年でおそらく進展がありますが、実際にはそのスピードは非常に遅く、特にアメリカの映画業界において、興行収入映画トップ100の内、女性監督の割合は2015年の7.5%から2024年には13.6%に増加したことが示すように、不均衡な現状が続いています。

受賞者の過去の経歴

これまでのウーマン・イン・モーション賞は、初の長編映画で大きな可能性を見せた女性監督に毎年贈られており、受賞者の次回映画制作を支援する助成金が含まれています。過去の受賞者には、チュニジアのレイラ・ブージッドやパレスチナのマイサルーン・ハムード、さらにマレーシアのアマンダ・ネル・ユーなど、多彩なバックグラウンドを持つ監督たちが名を連ね、助成金を通じて映画業界の資源不足への対策に貢献しています。

マリアンナ・ブレナンド監督のコメント

ブレナンド監督は、自身の作品『MANAS（原題）』について、次のように語っています。「この映画は、声を上げられない女性たちのためにできるだけのことをし、彼女たちの声を届けることを目指しました。この受賞によって得られる支援は、私たちの声を広める手助けをし、女性が女性についての映画を監督する重要性を再確認させてくれます。」また、ブレナンド監督は、共に作業してきたスタッフやパートナーに感謝の意を示し、彼女たちの成果が世界中に響いて欲しいと願っています。

アマンダ・ネル・ユー監督からの評価

アマンダ・ネル・ユー監督は、マリアンナ・ブレナンド監督を選出した理由を述べ、「彼女のデビュー作は非常に魅力的で痛ましい物語であり、その視覚的な美しさと、若い主演俳優たちの力強い演技が印象的です。アマゾンの熱帯雨林における少女たちの厳しい現実を描いており、強い激動を感じることができます。」と称賛しています。

結論

2025年のウーマン・イン・モーションアワードの受賞者および第78回カンヌ国際映画祭の詳細なプログラムは今後発表される予定です。映画界における女性の存在を支え、称えるこの取り組みは、今後も引き続き注目の的であり、女性監督たちが持つ創造的な力を大いに発展させるきっかけとなることが期待されています。

マリアンナ・ブレナンドのプロフィール

マリアンナ・ブレナンドは、ブラジルのレシフェ、サンパウロ、リオデジャネイロを拠点に活動する監督、プロデューサー、脚本家です。彼女は2002年にカリフォルニア大学サンタバーバラ校で映画学を専攻し、そのキャリアを築き上げてきました。デビュー作『MANAS（原題）』は2024年のヴェネツィア映画際でGDA監督賞を受賞、初のブラジル人受賞者となりました。この作品は、アマゾンのマラジョ島での子供やティーンエイジャー、女性に対する性的虐待と搾取というテーマに取り組み、10年間の研究を経て完成したものです。彼女のアプローチは、観客に深い感動を与えています。

ウーマン・イン・モーションについて

ケリングが主導する「ウーマン・イン・モーション」は、2015年に設立され、映画及びアートの各分野における女性の貢献を称えるプログラムです。この10年間は女性に対する不平等を明確にし、ブランデッドの創造性を促す場としての役割を果たしてきました。受賞を通じて新たな才能を押し上げるこの取り組みは、今後も世界中のクリエイターたちに影響を与えることでしょう。