短編映画『Family And War』がカンヌ映画祭に登場
2025年カンヌ国際映画祭のショートフィルムコーナーで上映されることが決まった短編映画『Family And War』。この作品は、戦場の兵士たちと家族の口論を通じて、“争い”というテーマに深く切り込みます。監督は、これまで『狐の嫁入り』で注目を浴びた恵水流生。彼が16mmフィルムで描く、ざらっとした質感と詩的な映像美が観客に新たな問いかけを与えます。
争いの根源に迫るストーリー
本作は、単なる戦争という大きなテーマにとどまらず、もっと身近な問題を描き出しています。身内の間でのささいな争いや意見の食い違いも、背景には「戦争」とつながる感情が潜んでいるのではないか? 『Family And War』は、家族という最も身近な関係性を舞台に、理解し合いたいけれど理解できないというもどかしさや、傷つけ合うことの根源を探ります。
ロケーションとキャスト
撮影は神奈川県小田原の森の中で行われ、静寂の中に響く銃声や水音、朝の光が作品の雰囲気を高めています。そのリアリティを16mmフィルムが捉え、観客に深い没入感を提供します。また、主演には実力派俳優の伊藤慶徳が起用されており、彼の演技はこの短編の核をなすものです。彼は多才な役者であり、多様なキャラクターを演じ分ける力を持っています。
俳優・伊藤慶徳の思い
伊藤慶徳は、茨城県出身で1983年生まれ。舞台出身の彼は、数々のインディーズ作品や商業映画に出演し、その演技力は高く評価されています。近年では『沈黙の艦隊』や『命の満ち欠け』などでも活躍。25年公開予定の『THE KILLER GOLDFISH』や『キムソジュン』でも注目を集めています。
映画のメッセージ
監督の恵水流生は、「争いは遠い世界の人々の話ではなく、身近な場所から生まれているのかもしれない」と語ります。家族の中に存在する“わかりあえなさ”と世界で起こる争いは、実はつながっているのではないか。この映画を通じて、私たちの内面にある痛みと希望を共有できることを目指しています。
上映情報
- - タイトル: 『Family And War』
- - 監督・脚本: 恵水 流生(えみりゅうせい)
- - 製作会社: emir heart inc.
- - キャスト: 伊藤 慶徳、蓮尾 たかせ、七海 悠貴、古川 時男
- - 上映時間: 14分
- - フィルム形式: 16mm撮影
『Family And War』は、注意深く観ることで個人的な経験から普遍的なテーマを感じさせる作品です。カンヌ映画祭での上映を手に入れた一作が、どのように観客の心を打つのか、今から期待が高まります。