舞台「黙るな 動け 呼吸しろ」の魅力
2025年11月29日、東京文化会館にて公演予定の舞台「黙るな 動け 呼吸しろ」は、聴者とろう者が互いに出会い、共に創作を進める新しい形の舞台作品です。東京藝術大学の学長である日比野克彦氏が総合監修を務め、この作品は文化的な意義を強調するものとなっています。
舞台の概要と特徴
この舞台は、2023年から進行しているプロジェクトであり、世界陸上やデフリンピックの文化プログラムの一環として位置づけられています。作品内では「霧のまち」と「百層」という二つの街が描かれ、それぞれ異なる言語と文化を持つ住人たちが登場します。視覚的なコミュニケーションの重要性が強調され、観客は彼らがどのように理解し合い、コミュニケーションを形成していくのかを目撃することができます。
「霧のまち」では、音のない環境で独自の文化が発展しており、言語は体の動きや身振りを通じて表現されます。逆に「百層」は超高層ビルで埋め尽くされた都市で、音声が主要なコミュニケーション手段とされています。このふたつの相反する世界がどのように交錯するのか、物語の中で探求されます。
ストーリーの概要
物語は霧に覆われた街から始まります。建国記念日式典のさなかに、一人の男性が迷い込んできます。この彼は「霧のまち」の住人になりますが、3人の住人と親しくなり、この街の文化に触れることで新たな理解を深めていきます。2年後には、彼は彼らを「百層」に連れて行く決意をしますが、日々の生活の中で彼らにとっての音の文化の理解が試されることとなります。
公演の詳細
「黙るな 動け 呼吸しろ」は2025年11月29日(土)の15時に開場、14時からはプレトークが行われます。場所は東京文化会館・大ホールです。チケットは全席指定で無料ですが、事前申し込みが必要となります。9月1日(月)10:00より申込が開始され、先着順での受付となります。
公演に関する詳細は公式サイトや公式YouTubeチャンネルで確認できるほか、Instagramでも最新情報が配信されています。特に気になる方は、これらのプラットフォームをチェックしてみることをお勧めします。
鑑賞サポートの充実
観客が多様な形で楽しめるよう、様々なサポート体制も用意されています。手話や音声ガイド、字幕サポートが用意されており、誰もが楽しめる環境が整っています。また、休憩スペースや託児サービスもあり、家庭での観賞にも配慮がなされています。
終わりに
舞台「黙るな 動け 呼吸しろ」は、聴者とろう者が共に演じ、自分たちの物語を通じて新たな交流を生み出す挑戦的な作品です。これまでの舞台芸術とは一線を画すこの取り組みに、ぜひ多くの方々に触れてほしいと思います。観客自身がこの新しい形のコミュニケーションに参加し、共存の可能性を感じられるこの作品を、ぜひご覧ください。