車いすバスケットボールとココロミルの出会い
昨今、車いすバスケットボールチーム「神奈川VANGUARDS」は、株式会社ココロミルの「ホーム心臓ドックpro」を導入し、選手とスタッフ全員の健康管理を強化しています。これは単なる運動能力の向上だけでなく、選手の健康と安全を守るための重要な一歩です。企業は、医療とテクノロジーを融合させ、病気で後悔しない社会を目指しています。
車いすアスリートに求められる健康管理
心疾患は日本人の死因第2位であり、特に無症状で進行するケースが多く、早期の発見が難しい状況です。アスリートにおいては、厳しいトレーニングや競技中のストレスから、心臓に負担がかかりやすい環境にあります。実際に、ココロミルの検査結果によると、プロアスリートの不整脈の発生率は一般人に比べて高いことが示されています。車いすバスケットボール選手は基礎疾患を抱えることも多く、特に健康管理の重要性が増しています。
この競技は、瞬発力だけでなく持久力、筋力、集中力を長時間維持するための精神的安定性が求められます。基礎疾患を抱えた選手が多い中で、日々の練習や試合による身体への負荷は、より大きな健康リスクを伴います。
車いすアスリートが直面する健康管理の課題
医療機関へのアクセスが困難という背景も、車いす選手にとっての大きな課題です。通院にはバリアフリー環境の整備や、同行者の確保が求められ、外出自体が肉体的にも精神的にも負担となります。特に心疾患の検査を受ける際には、予約や移動に伴う苦労があり、この負担は選手にとって非常に大きいです。
また、選手自身が車を運転することが多いため、体調の急変が起こると、自分だけでなく周囲の安全に関わる大きなリスクとなります。心疾患、睡眠の質の低下、慢性的なストレスは、本人も気づかないまま積もり、突然意識低下や判断力の低下を招く可能性があります。
「ホーム心臓ドックpro」の導入
このような背景から、「神奈川VANGUARDS」は健康管理に関して新たなアプローチとして「ホーム心臓ドックpro」を導入しました。このサービスは、ウェアラブルな心電計を利用し、選手が自宅や遠征先で手軽に心電図データを取得できるのです。
「ホーム心臓ドックpro」により、選手は自宅で心電図を24時間分計測し、安全に健康状態を把握できます。そして、その結果を元に、選手一人一人のコンディションに応じたパフォーマンス向上を図ることが可能です。
神奈川VANGUARDSの取り組み
球団代表の西村元樹氏は、車いすアスリートが健康であり続けるための環境作りに力を入れていると語ります。特に基礎疾患を持つ選手が多いため、健康リスクに備える体制を築くことは必須です。ココロミルとの提携を通じて、見えにくい健康リスクに対応した包括的な健康管理を進めていくことが、選手の命を守る鍵となります。
選手とスタッフ全員がこの健康管理サービスの恩恵を受けることで、チーム全体のヘルスケアが強化され、選手寿命の延長や競技力向上が期待されています。
おわりに
車いすバスケットボールとココロミルの協力により、新たな健康管理のスタンダードが築かれつつあります。選手一人一人が安心して競技に専念できる環境を整えることで、今後さらに競技界において活躍する姿が見られることでしょう。