2025年大阪・関西万博でのカーボンニュートラル実現へ向けた取組み

2025年大阪・関西万博に向けた合成燃料の取り組み

2025年に大阪で開催される国際博覧会「大阪・関西万博」において、カーボンニュートラルを目指す取り組みの一環として、ENEOSとスズキ、SUBARU、ダイハツ、トヨタ、マツダの6社が協力し、合成燃料を使用したエンジン搭載車両の提供を発表しました。この運行は万博開催期間の特定のイベントにおいて、来賓や関係者向けに行われることが決定しています。

合成燃料とは、再生可能エネルギー由来の水素と二酸化炭素（CO2）を原料にして製造されるもので、その全体のライフサイクルを通してCO2の排出を抑えることができます。この新しい燃料の導入によって、内燃機関の効率を高め、持続可能な交通手段の選択肢を増やすことを目指しています。ENEOSは、新エネルギー・産業技術に特化した国立研究開発法人「NEDO」の「グリーンイノベーション基金」のサポートを受け、2024年に完成する実証プラントにおいて、この合成燃料を製造する予定です。

この合成燃料を利用した車両は、トヨタとマツダが提供する来賓向けの「ヴェルファイア HEV Z PREMIER」や「CX-80 PHEV」に加え、スズキの「スペーシア HYBRID X」、SUBARUの「クロストレック S:HEV」、ダイハツの「ロッキー Premium G HEV」といった関係者向けの車両でも活用されることが決まりました。これらの車両は、ガソリン車と同様の走行性能を特長としながら、より環境に優しい走行が可能です。

各メーカーは、合成燃料を用いた車両がカーボンニュートラルなモビリティの実現に向けた重要な選択肢であることを示すべく、大阪・関西万博を通じて広くその意義を発信していくとしています。これにより、大阪・関西万博の掲げる「EXPO2025グリーンビジョン」の実現に対しても積極的に貢献する意向です。これまでの燃料と比べて246万円を超える環境負荷を軽減する合成燃料の導入は、自動車業界において初めての試みであり、今後のモビリティのあり方に大いに影響を与えることでしょう。

このプロジェクトは、持続可能な未来に向けた一歩であり、特に都市部での内燃機関の車両使用が多い日本においては、非常に意義深いものとなります。合成燃料の普及が進むことで、環境に配慮した交通手段がより一般的になることを期待したいところです。また、大阪・関西万博は世界中からの注目を浴びる場であるため、この取り組みがさらなる波及効果を生むことが期待されます。

このように、合成燃料の活用によってカーボンニュートラル社会の実現に向けた新たな道筋が示される中、私たちは自らの交通手段を見直す必要性も感じます。エンジン搭載車両に合成燃料が使われることにより、我々の未来はより明るいものになるはずです。今後もこの取り組みから目が離せません。