41周年を迎えたPERSONZが魅せる至高のパフォーマンスと新作の世界観
今年で結成41周年を迎えたPERSONZが、全15本のツアーのファイナルを東京国際フォーラムCホールで飾った。最新のオリジナルアルバム『WHAT A WONDER WONDERLAND』をリリースした彼らの演奏力と独自のパフォーマンスは、まさに圧巻であった。
アルバムのタイトルを直訳すると「なんて素敵なワンダーランド!」。今回のライブでは、「不思議の国のアリス」や「オズの魔法使い」、「眠れる森の美女」といった童話のモチーフが随所にちりばめられ、観客はまるで夢の中にいるかのような体験を味わった。
ステージに暗転後、流れるアルバムのオープニング曲「ADVENTURE」がホールに響き渡る。緋色の背景幕や、トランプ柄の柱、メンバーの衣装はアルバムのブックレットそのまま。JILLが「ウェルカム トゥ ワンダーランド!」と叫ぶと、会場は大歓声に包まれた。1曲目にはアルバムの流れに沿った「WONDERLAND」が演奏され、トランプカードが観客に投げ込まれ、キャッチしたファンは嬉しそうに掲げて応えた。
続くアクトもすばらしいもの。明るいライトが照らす中、JILLが楽器メンバーとともに楽しそうに「SLEEPING BEAUTY」を披露。彼女はその華麗な動きで観客の目を引きつけた。近未来のデジタルノイズから始まった「ROCK MY HEART」では、JILLがエレキギターをかたどったカラフルなバルーンを手にし、遊び心満載の演出で場を湧かせた。
「BE HAPPY」では、観客とハーモニーを交わし、会場全体が一体感を持って盛り上がる。驚くべきは、その熱気がまだ5曲目だということ。観客は、若いファンから年配のファンまで、代わる代わるに音楽を楽しんでいた。
ここでメンバーはそれぞれのメッセージを伝えた。本田はアルバムのテーマを強調し、藤田はツアーを通じての健康と楽しさを語った。渡邉は盲腸のエピソードを披露しつつファイナルを迎えられた感謝を述べ、JILLは41周年を記念しての連続アルバムリリースの背景を明かした。
ライブ中盤、JILLが歌う「BLUE ROSES」は、青い薔薇の象徴についてのメッセージが印象的で、観客は彼女の声に心を奪われた。「HAPPY UNBIRTHDAY」では、毎日が誰かの誕生日であることを歌い上げ、夢見ることの大切さが語られた。
ミディアムバラード「MOMENTS」では、観客一人数々の人生の幕開けを感じさせた。出てくる歌詞がビジュアルとして心に浮かび、ライブの中でも記憶に深く刻まれていく。最後の後半戦に向けて楽器チームがジャムセッションを繰り広げ、リズムに乗せて藤田が観客を立ち上がらせ、次なる曲「東京タワーであいましょう」が始まる。会場全体が一体となり、楽しむ姿が印象的だった。
続いての「HALLELUJAH」では、そのメッセージが現代と重なり、アカペラでその情感が見事に表現された。ライブ本編の最後の3曲では、バンドの本領が発揮され、熱気とともに観客を惹きつけた。「MAYBE CRAZEE-I Love You-」から始まり、大きなバルーンとともに「CAN’T STOP THE LOVE」へと続く。
アンコールでは、ツアーの感謝とともに、JILLは新曲「THAT’S MY TREASURE」を披露し、初期の代表曲「Freedom World」の熱いパフォーマンスも行われ、40年の歴史が感じられた。観客の前でJILLが歌う姿は、そこにいる全員の心に響くものがあった。
最後はJ-ROCK史に残る名曲「DEAR FRIENDS」で幕を閉じ、観客は心からの一体感を感じた。PERSONZは、演奏力やパフォーマンスを通じて、夢を追い続けていることを強く印象付けた。
このライブを通じて、彼らが提示したワンダーランドは、ただのエンターテインメントを超え、観客の心に響くものを創り出していた。これからも彼らの新たな挑戦と夢の世界に、目が離せない。