映画『認知症世界の歩き方』が拓く新たな視点
認知症がもたらす課題を映像を通じて考察するプロジェクト、映画『認知症世界の歩き方 MOVIE』。この映画は、全世界の8カ国で展開されるクラウドファンディングにおいて、台湾での取り組みが6月17日より始まりました。本プロジェクトは、ベストセラー書籍『認知症世界の歩き方』を基に、認知症を持つ方々の観点からの世界観をユニークかつ体験的に描き出す国際的な映画制作企画です。
認知症に対する偏見を打破する
従来の認知症に対するイメージは、「できない」「怖い」「悲しい」といったネガティブなものが多いですが、本映画プロジェクトはその固定観念を打破することを目的としています。映画を通じて「認知症と共に幸せに生きる」という新たな視点を発信し、観る人に新たな気づきを提供することを目指しています。
台湾での取り組みは、弘道老人福利基金會など地元の企業・団体と協力し、書籍の翻訳出版、映画の上映、ワークショップや教育活動に至るまで多岐にわたります。このような取り組みを通じて、認知症理解に関心を持つ人々が増えることを願っています。
重要な社会課題としての認知症
台湾は2025年に超高齢社会に突入すると予測されています。そのため、認知症はもはや一部の家庭における孤立した問題ではなく、私たち全員が理解し、適切に対処するべき重要な社会課題です。弘道老人福利基金會は設立以来、30年にわたり高齢者支援や認知症支援の地域活動を推進してきました。「見つめること」「理解すること」が変革の第一歩であり、この考えのもとでプロジェクトに協同で取り組む意義を感じています。
関係者は、認知症を持つ方々とその家族の日常を真摯に描くことで、偏見をなくし、彼らの尊厳や創造性、愛を再認識してほしいと願っています。このクラウドファンディングが多くの人に参加され、認知症に対する理解が広まり、社会全体がより温かく包摂的なものとなることを期待します。
クラウドファンディングの詳細
このプロジェクトを支えるためのクラウドファンディングは、
で行われています。そして、クラウドファンディング開始を記念して、社会の偏見を変えていくためのスペシャルトークイベントも開催されます。
イベント詳細
- - タイトル: 映像はいかにして社会の偏見を変えるか?―日本と台湾、それぞれの実践より―
- - 登壇者: 筧裕介(著者/プロジェクト代表)、李若綺(弘道老人福利基金會執行長)、楊力州(台湾のドキュメンタリー映画監督)
- - 日時: 2025年7月24日(木)19:00〜20:30
- - 会場: 光點華山 二樓藝文廳(Spot Huashan 2F Art Hall)
- - 参加費: 無料
- - 申し込みフォーム: こちら
認知症を理解することは、個人にとってだけでなく社会全体にとっても意義深いことです。映画『認知症世界の歩き方』を通じて、より多くの人々がこの課題に関心を持ち、理解を深めることを心から願います。