CES 2025での重要な基本合意の締結
2025年1月8日、米国ラスベガスで開催中の「CES 2025」では、アウトクリプト株式会社とアンリツ株式会社が自動車と5Gに関するセキュリティテストの基本合意書(MoU)を締結しました。この合意は、自動車業界におけるサイバーセキュリティの重要性が高まる中で発表され、両社の技術と専門知識を活かし、安全性の高い未来の自動車システムを目指すものです。
自動車業界におけるサイバーセキュリティの必要性
最近、世界中で自動運転車両(CAV)の普及が進む中、サイバーセキュリティの基準が強化されています。国際規制機関であるUNECEのWP.29が示したUN R155やR156、インドのAIS-189、中国のGB/T基準など、各国で関連するコンプライアンスが求められています。この背景のもとで、アウトクリプトとアンリツの協力が非常に重要となっています。
基本合意の内容と両社の強み
両社は、アウトクリプトが展開しているサイバーセキュリティテストプラットフォーム(CSTP)とアンリツの最新のラジオコミュニケーションテストステーションMT8000Aを統合し、効率的で簡単なテスト手法を開発することを予定しています。これにより、自動車メーカーはカスタマイズされたテストプラットフォームにアクセスでき、コンプライアンスの確保を短期間で実現することが可能になります。
アウトクリプトのグローバル最高技術責任者である金義錫氏は、「サイバーセキュリティテストは複雑になりがちで、型式認証の障壁となることがある。しかし、我々のテストプラットフォームはそれを解消する手助けをするだろう」と語り、同時に自動車業界のさらなる安全性向上を見据えた意気込みを示しています。
新たな基準の確立を目指して
一方、アンリツのIoTテストソリューション事業部長である小川幸治氏は、「サイバーセキュリティテストの重要性はこれまでになく高まっている」と強調。両社の協力が新たな基準を生み出し、安心・安全なモビリティ社会の実現に向けた取り組みを加速させるという期待を寄せています。この基本合意締結によって、両社はともに未来の自動車システムの安全性向上を推進する姿勢を明確に示しました。
まとめ
自動車業界と通信技術分野が融合する中で、アウトクリプトとアンリツの協力は不可欠なものとなっています。両社の専門知識を持ち寄ることで、安全性の高い次世代モビリティの実現に貢献することが期待されており、業界全体の進化が促進されることでしょう。この基本合意は、サイバーセキュリティに対する取り組みを強化し、安心して運転できる未来の実現に向けた第一歩と言えるでしょう。