マイクログリッドの未来
2025-11-06 11:36:25

前田建設とダイハツの共同実証実験、新しいマイクログリッドシステムの未来

前田建設とダイハツが手を組んだマイクログリッド実証実験



2025年12月より、前田建設工業株式会社とダイハツ工業株式会社は、茨城県取手市の『ICI総合センター』にて新しいマイクログリッドシステムの実証実験に乗り出します。これは地域単位で電力を供給・管理するための小規模な電力網を利用したものです。

マイクログリッドとは?


マイクログリッドは、太陽光発電などの発電設備と蓄電池を組み合わせて、発電地の近くで電力を臨機応変に供給するシステムです。これにより、通常時は電力のピークカットが可能となり、CO2排出量の削減に寄与することが期待されています。また、災害時においては電力供給の継続ができ、公共サービスの維持にも貢献します。

プロジェクトの背景


2050年までにカーボンニュートラルを達成するためには、再生可能エネルギーの有効活用が急務となっています。前田建設は、様々な施設における持続可能な建築やエネルギー利用の推進に取り組んでおり、ダイハツも電動化を進め、工場や流通、販売店舗の脱炭素化が求められています。二社は共同でこのマイクログリッドシステムの研究開発に取り組んでおり、その有効性を確立するための実証実験を行うに至りました。

システムの特長と利点


このマイクログリッドシステムは、太陽光発電、電気自動車(BEV)、蓄電池を集約しました。特筆すべきは、3ポート電力変換器『SPH』です。この装置は直流機器との接続に優れており、電力変換回数が少なくエネルギーロスを45%削減できます。加えて、同一の20フィートコンテナにSPHや蓄電池を搭載して移動が可能なうえ、被災地などでも容易に電力供給が行えます。

さらに、ダイハツで導入が予定されている商用軽バンを利用することで、電力容量を拡大し、非常時に電力の融通が可能となります。

実証実験の進行


実験はICI-Campの体育館と食堂にて行われ、太陽光発電による電力供給がメインとなります。余った電力は蓄電池やBEVに蓄えられ、電力ピークを平準化することでCO2削減効果を検証と同時に、停電時の電力供給の信頼性が確認されます。

今後の展望


年々深刻化する自然災害に備え、公共施設や需要が高い工場やデータセンター等への導入を検討しています。このマイクログリッドシステムが地方の電力インフラを支え、持続可能な地域づくりにも寄与していくことでしょう。前田建設とダイハツは、今後も共創を続け、新たな電力供給のあり方を模索し続けます。


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