Fixxがインドの整備学生向け人材育成を開始
全国で自動車の出張整備サービスを提供している株式会社Fixxが、インドの整備学生を対象とした新たな人材育成支援プロジェクトを始動しました。このプロジェクトは、インド政府が認定する職業訓練校「ITI(Industrial Training Institute)」に通う整備士志望者向けに、日本の整備ノウハウを融合した教育プログラムを提供するものです。
プロジェクトの概要
Fixxは、インドにおけるKimochiプロジェクトと提携し、日本の自動車整備現場の実践的なスキル、日本語のコミュニケーション能力、そしてグローバルな視野を持つ人材の育成を目指します。この取り組みは、自動車整備士不足が深刻化している日本において、新たな人材の供給源となることが期待されています。
教育プログラムの内容
プロジェクトでは、Fixxによる日本の整備事情や作業品質の教育が実施され、言語や日本文化に関するKimochiプロジェクトのプログラムが組み合わされます。さらに、インドにある「自律走行技術イノベーションハブ(TiHAN)IIT Hyderabad」と連携し、実車を用いた軽整備の研修や自動運転車の体験も行いました。これにより、学生は技術力を向上させ、将来の職場で即戦力として活躍できるスキルを習得します。
背景および狙い
Fixxの代表、大塚裕斗氏は、若年層に向けた教育とキャリア形成が日本の整備業界の人材不足解消につながると考えています。急速に成長するインドの人口を背景に、今後ますます需要が高まる整備士を育成し、日本企業に貢献できる人材を送り出すことが本プロジェクトの狙いです。
多文化共生の社会において、若者が様々な価値観を理解し、国際的に活躍できる基盤を築くことも、Fixxが目指す重要な目標の一つです。
TiHAN IIT Hyderabadとは
TiHAN IIT Hyderabadは、インドにおける次世代モビリティ技術の研究拠点として、本プロジェクトにおいても重要な役割を果たしています。自律走行技術の実証試験を行うための最先端の施設が整備されており、ハンガーや地上制御局、各種試験用トラックなど、数々の先進設備が整っています。これにより、学生は実践的な技術を直接学ぶことができ、自動車整備士としてのキャリアをより確かなものにします。
Kimochiプロジェクトについて
Kimochiプロジェクトは、若者が自身の強みを発揮できる環境を提供し、キャリア教育を通じて彼らの将来を支援することを目的とした実証的なプロジェクトです。日本とインドの共同プロジェクトとして、探求学習やSTEAM教育を通して教育の新たなモデルを検証し、両国の若者の交流を促進しています。
Fixxの役割
Fixxは、このプロジェクトを通じて、整備士の地位向上や多様な働き方を実現することをミッションとしています。また、技術研修や就労支援を通じて、インドの学生が日本での職業に就くための準備をサポートします。日本国内で慢性化している整備士不足の問題解決に向けて、大きな一歩を踏み出すことを目指しています。
今後の展望
Fixxは、インドにおける整備士向け教育プログラムを拡充し、学生を日本企業に紹介する役割を重要な位置づけています。しかし、現状では「自動車整備」の特定技能試験がインドで実施されていないため、課題も存在します。今後も日印間の人材交流を促進し、両国の整備業界が持続可能な成長を遂げる基盤づくりを目指して、さらなる取り組みを推進していく方針です。