俳優斎藤歩と愛妻の夜想曲
2025年2月23日深夜、HTB北海道テレビが送るテレメンタリーシリーズ「生ききる~俳優と妻の夜想曲~」が放送される。これまで数多くの舞台で活躍してきた俳優、斎藤歩さんがどのように人生の厳しさと向き合い、妻と共に希望を抱いて生きるのかが描かれる。
斎藤さんは、札幌に住む60歳の演出家であり、脚本家でもある。彼は北海道大学の演劇研究会からそのキャリアを始め、映画、テレビドラマ、舞台等で広く活躍してきた人物だ。彼の存在は、北の大地に根ざした演劇界の重鎮と言えるだろう。
しかし、2021年、彼に訪れた悲劇。尿管にがんが見つかり、さらに2023年には「何もしなければ余命半年」との厳しい診断を受けた。その時、さまざまな思いが彼の心を駆け巡ったことだろう。ステージ4の末期がんという病状にもかかわらず、斎藤さんは「普通なら入院して安静にしていなければならない」と言われながらも、舞台に立ち続ける強い意志を持っていた。彼の姿からは、演じることへの愛情が伝わってくる。
2024年、抗がん剤の副作用に苦しみながらも、彼は「演劇は消えてなくなる仕事だ。見た人の記憶にしか残らない」とつぶやく。心の中に広がる不安を感じつつも、彼は新作に没頭し続ける。舞台の袖で苦痛に耐え続け、出番が来ると瞬時に客前へと向かう。その姿勢には、俳優としての誇りと覚悟が感じられ、心を打たれる。
しかし、彼の病状は深刻化し、一人での生活が困難になってきた。そんな中、斎藤さんの妻に大きな舞台へのオファーが舞い込む。かつて所属していた劇団が30年ぶりに復活し、全国ツアーを展開するというのだ。しかし、このオファーを受け入れることで、妻は4ヶ月間、札幌の家を離れなければならない。ここで、二人は重い決断を迫られることになる。
お互いを思いやり、未来に向かって生きるためにはどのような選択をするのか、夫婦は静かに話し合いを始める。彼らの愛は、この困難な状況に対抗するための最大の武器だ。斎藤さんが舞台に立つ時、彼の心には妻への感謝と愛情が溢れていることでしょう。
このドキュメンタリーでは、斎藤さんと妻の決断、演劇への情熱、そして二人の絆がどのように試されていくのかが追われる。斎藤さんの勇気と妻のサポートは、多くの人々に感動を与えるに違いない。見逃せないこの貴重な作品をぜひ視聴し、その深いメッセージを感じ取ってほしい。
放送は2025年2月23日(日)深夜1時45分から、HTBにて全国放送されます。多くの視聴者に愛されることを願って、俳優とその妻の夜想曲に耳を傾けてください。