自動車業界の新たなサポート体制が始動
損害保険ジャパン株式会社とSOMPOリスクマネジメント株式会社は、一般財団法人日本自動車研究所の会員に向けて、2025年4月1日から「JNXセンター会員専用サイバー事故相談窓口」を設立します。この新しい取り組みは、自動車業界におけるサイバー攻撃の増加に対応するもので、会員企業が電子的脅威に対抗できるための迅速かつ適切な支援を提供します。
サイバー攻撃の影響とその懸念
近年、自動車業界はサイバー攻撃の危険にさらされ続けています。自動車部品のサプライチェーンは非常に広範囲に及び、侵入経路も多岐にわたります。デジタル化の進展やサイバー手口の巧妙化により、業界全体が脆弱性を抱えています。このため、万が一の事故が発生した際には、迅速な対応が求められるようになっています。
自動車部品サプライヤーなど約2500社が加盟するJNXセンターでは、2023年4月から損保ジャパンと共同で「JNX団体サイバー保険制度」を運営しています。この制度は、サイバー事故が発生した際の対応費用をカバーすることを目的としています。
新しいサポートの流れ
今回開設されるサイバー事故相談窓口は、SOMPOリスクのプラットフォームを利用し、会員企業に対しフォレンジック調査から恒久対策支援までを一貫して提供します。これは自動車業界向けに特化した初めてのサポート体制であり、業界の安全性向上に寄与することが期待されています。
サイバー事故が発生した場合、会員企業はこの相談窓口に問い合わせることで、専門家による基本的な支援を無償で受けられます。具体的には、迅速な初期対応のためのミーティングや、被害状況に基づいた初動対応方針の提案、対応チームの編成支援などが含まれます。
今後の展望
初期対応の後は、有償サービスとしてフォレンジック調査やコールセンターの設置などが提供されますが、これらの費用は事前にJNX団体サイバー保険制度に加入していれば保険金でカバーされる見込みです。また、今後はこのサービスの周知を図りつつ、JNX団体サイバー保険制度の加入促進にも積極的に取り組む方針です。
SOMPOグループはこの取り組みを通じて、サイバーセキュリティの統一ブランド「SOMPO CYBER SECURITY」を掲げ、保険とサービスの一体化を進め、リスク管理のトータルソリューションを提供し続けるとしています。
新しい相談窓口の設立は、自動車業界におけるサイバーリスクへの対策として非常に重要な一歩であり、企業や顧客の安全性を一層高めることへの期待が高まっています。