Char、布袋寅泰、松本孝弘が贈る圧巻のトリプルギターバトル！

迫力満点のトリプル・ギター・バトル！

2023年、ギター界の巨星ジェフ・ベックが急逝してから2年が経ちました。この期間に、彼の遺した音楽とスピリットを称えるイベントが世界中で盛況のうちに行われています。その中でも特筆すべきは、エリック・クラプトンを中心に、ロイヤル・アルバート・ホールで開催された追悼コンサート『A Tribute to Jeff Beck』です。あちらでは多くのファンが集まり、ビルの壁に耳を傾けながら彼の功績を偲びました。

今回、日本版追悼ライブが東京・有明アリーナで行われ、豪華なメンバーが集まりました。その中には、ロンダ・スミス（ベース）、アニカ・ニールズ（ドラム）、ジミー・ホール（ボーカル）、ゲイリー・ハズバンド（キーボード）など、かつてジェフ・ベックのバンドで活躍したメンバーが名を連ね、特別なステージを作り上げました。

渾身のパフォーマンス

特にステージが盛り上がったのが、ギタリストたちの魅力です。最初に登場したのはChar。彼のセットリストは、意外にも第1期ジェフ・ベック・グループの曲が中心で、「レッド・ブーツ」で観客を引き込みます。ジェフ・ベックモデルのストラトキャスターを手に取り、その技術をしっかりと再現しつつも、新しい解釈をも加えた華麗なプレイが印象的でした。

続く松本孝弘は、フュージョン期の名曲「哀しみの恋人達」を含む選曲で、彼のオリジナルの感性を生かした演奏を披露しました。観客は、懐かしいフレーズによる感動を新たに感じ取ります。

3番手に登場した布袋寅泰は、ゲストシンガーのジミー・ホールとともに「ピープル・ゲット・レディ」を奏で、観客の心を掴みます。さらに、Charと共演した「フリーウェイ・ジャム」や「ブルー・ウインド」では、ギター同士の熱い掛け合いが見られ、それぞれのスタイルがぶつかり合いながらも、調和を保った演奏が繰り広げられました。

スピリットを大切に

ライブの最後を飾ったのは、3人のギタリストとさらにバンドメンバーを巻き込んだ大迫力の「ゴーイング・ダウン」です。鏡のように反響するギターが混じり合い、約2時間に及ぶステージを華々しく締めくくります。

ある場面で布袋は観客に向けて、「我々はジェフから教わったスピリットを皆さんと一緒に楽しみたいと思ってここに集まりました。」と語りました。彼の言葉からも感じられるように、ジェフ・ベックの音楽は単なる演奏だけではなく、心の奥深くに響くものであり、その思いを受け継ぐアーティストたちが今後も新たな音楽を創り出していくことでしょう。

この感動的な瞬間は、まさにミュージシャン同士の交流やファンとの絆を象徴するものであり、ジェフ・ベックの遺志は生き続けていることを実感させます。これからもChar、布袋寅泰、松本孝弘が持つ独自の音楽の粒子が、ジェフのスピリットに彩られて輝き続けることを期待せずにはいられません。