博報堂が新たなマーケティングソリューションを発表
株式会社博報堂は、カリフォルニアを本拠地とするThe Trade Desk(TTD)との提携を発表し、新しいソリューション「AaaS with TTD」を開始しました。この取り組みは、テレビとデジタル領域における一体型の次世代マーケティングを実現するためのものです。
新ソリューション「AaaS with TTD」
「AaaS with TTD」は、日本国内初となるテレビの視聴データとTTDの保有するデジタル広告の実接触データを組み合わせた、新たな分析手法を用いたソリューションです。この協業により、広告主はより効果的なマーケティング戦略を立てることができます。第一弾機能として、顧客が広告に接触する過程でのコンバージョンに至るまでの最適な広告パスを可視化するとともに、顧客のナーチャリング効果を数値化する機能が搭載されています。
複雑化する広告市場への対応
最近では、コネクテッドTVなどの新たな広告チャネルが台頭し、プログラマティック広告が普及する中で、広告市場はますます複雑化しています。そのため、膨大なデータの分析を行い、AIを活用した最適な広告配信が求められています。博報堂はこうした環境変化に対応すべく、次世代型広告モデル「AaaS」を提案し、デジタルトランスフォーメーションを推進しています。
TTDは分散人工知能(DAI)を用いた新プラットフォーム「Kokai」を通じて、広告主にさらなる価値を提供しています。このプラットフォームは、オーディエンスに基づいたバイイングを強化し、広告在庫へのアクセスを容易にし、効果測定機能を革新します。これにより、より高度なメディアバイイングが実現可能となります。
「AaaS with TTD」の特長
新ソリューションの分析機能では、AaaSに蓄積された実視聴データとTTDの接触データを連携させ、次の二つの点に焦点を当てます。
1.
最適広告パスの可視化
テレビCMとデジタル広告における接触履歴を分析することで、顧客がコンバージョンに至るための最適な広告接触パターンを明らかにします。たとえば、「テレビCMを見た後に2回CTV広告に接触した顧客の方がコンバージョン率が高い」といった具体的なデータを示すことで、キャンペーン全体の設計を最適化できます。
2.
ナーチャリング効果の数値化
一連の広告接触によって顧客の関心がどの程度高まったのかを明確にします。「LP来訪」、「商品検索」、「購入・契約」といった複数のコンバージョンポイントを設定し、それぞれのファネルでの人数や最適媒体情報を抽出することで、顧客のファネル移行を促進する戦略を立てることが可能となります。
未来への展望
博報堂とTTDは今後も、両社が持つ強みを生かして広告コミュニケーションの最適化を目指します。特に、メディアビジネスやプランニングにおける知見と、精緻なデータ分析技術を組み合わせることで、広告効率の最大化を図り、広告主のビジネス目標達成に貢献することを目指しています。
この新しいマーケティングソリューションの活用により、未来の広告業界はますます革新が進むことでしょう。