新潟医療が選球眼を解明
2025-10-21 13:43:02

新潟医療福祉大学がVR技術を駆使して野球の選球能力を科学的に解明

新潟医療福祉大学がVRを用いた野球選球能力研究を発表



新潟医療福祉大学の越智元太講師、森下義隆准教授、西原康行教授を中心とする研究グループが、バーチャルリアリティ(VR)技術を利用して野球の選球能力を科学的に分析し、その成果を国際専門誌『Sports』に掲載しました。これは、選球眼、すなわち投球がストライクかボールかを見極める能力が打撃成績に与える影響を解明する初の試みです。

研究の背景と目的


野球において選球能力は、打者の打撃成績に大きな影響を及ぼします。特に、出塁率や四球率といった統計指標は選球能力に強く依存しています。しかし、選球能力を科学的に評価する方法や具体的なトレーニング方法は、これまでのところ確立されていませんでした。本研究は、VR技術を利用して選球能力を測定し、その結果が実際の打撃成績とどのように関連するのかを探るものです。

研究方法


本研究では、北信越地区大学野球連盟1部リーグに所属する男子大学生野球選手14名を対象に、VR選球課題と空間的な実行機能を測定しました。VR選球課題では、360度カメラで撮影した実際の投球映像を使用し、選手に対してストライクまたはボールと判断させる形式で行われました。また、空間的ストループ課題では、矢印の向きと位置の一致・不一致を評価することで、実行機能を測定しました。

研究の主な結果


研究の結果、VRによる選球課題の正答率が実際の試合での出塁率(オーバーオール・ベース・パーセンテージ)や四球率と強い相関関係を示しました。特に、ストライク判定の正確性は出塁率と強い関連があり(相関係数r = 0.57)、四球率との関連も高いことが分かりました(相関係数r = 0.82)。加えて、実行機能の一部である空間的干渉処理能力が、ストライク判定の精度に影響することも明らかになりました。

これらの結果は、選球能力と実行機能がそれぞれ独立した要素として打撃成績に寄与していることを示唆しています。

今後の展望


本研究によって得られた知見は、野球選手の選球能力を向上させる新しいトレーニング手法としてのVR技術の可能性を示しています。教室内で独自の環境を再現できるため、選手にとって実際の試合に近い状況でのトレーニングが可能です。また、選球能力は高いが他の技術に課題を抱える選手に対しても、特化したトレーニングが実施できるようになるでしょう。

研究の背景と支援


本研究は文部科学省や日本学術振興会からの助成を受け、質の高い研究を進めるための基盤が整っています。今後は、VRを用いたトレーニング方法が広がることで、選手の競技力向上につながり、野球のパフォーマンスを科学的に支える新たな時代が到来することが期待されています。

新潟医療福祉大学は、医療とスポーツの融合を図り、大学内で実践的な学びを追求する姿勢を持っています。これにより、学生たちが選手たちのパフォーマンス向上をサポートする機会が増えることも、一つの成果です。

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この研究に関する詳細な情報は、新潟医療福祉大学の公式ウェブサイトをご覧ください。


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