研究の背景
スポーツの現場において、アスリートにとっての最適なコンディション管理が極めて重要です。特に女性アスリートの場合、月経周期がそのパフォーマンスや体調に影響を与えることが知られています。しかし、これまでの研究では女性アスリートにおける月経周期とスポーツ外傷の関連性は十分に探求されてこなかったのが現状です。そのため、株式会社ユーフォリアが行った新たな研究は、多くの注目を浴びています。
研究の目的と方法
この度、ユーフォリアのR&Dセンターはなでしこリーグ2部に所属するFCふじざくら山梨の選手たちと協力し、月経周期中でも特に「排卵期」における外傷発生リスクを探索的に調査しました。研究には、300人以上から得た約3,000周期分の月経データが使用されました。
主な手順
- - 参加者: FCふじざくら山梨の選手18名が研究に協力。
- - 追跡期間: 月経周期2周期分を対象。
- - 測定項目: 主要な女性ホルモン(LH、E3G、PdG)の測定、選手自身によるモチベーションやパフォーマンスの評価。
この研究は、女性アスリートに特有の身体の変化とそれが競技パフォーマンスにどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることを目指しました。
研究結果の概要
本研究で判明したのは、「排卵期」に外傷の発生リスクが1.6〜2.0倍高いという事実です。この結果は、行動科学的要因からも関連性を持つ可能性があるとしています。しかし、競技パフォーマンスやモチベーションの指標は個々の選手によって異なるため一貫した傾向を見出すことができませんでした。一般的に「月経痛」がパフォーマンスに悪影響を及ぼすという考えとは裏腹に、月経期でも競技パフォーマンスが良好な選手が存在したことが示されています。
研究の意義
この研究は、女性アスリートに向けたコンディショニングの重要性を再認識させるものです。研究責任者である山中美和子氏は「女性アスリートの特性を考慮したサポートが必要だ」と語ります。また、FCふじざくら山梨のトレーナーである小川楓香氏も、「選手が自身の健康やコンディションをより詳細に理解することができ、今後のトレーニングに役立つ」と述べています。
今後の展望
ユーフォリアは、この研究を通じて得られた知見をもとに、女性アスリートの健康を守るための新たな取り組みを進めていく予定です。具体的には、月経周期に基づく正しいコンディショニングに関する知識を普及させ、選手たちがより良いサポートを受けられる環境を整備していきます。このような取り組みが進むことで、未来の女性アスリートたちは安心して競技に邁進できるでしょう。