日本R&Bの魅力を再発見する『ジャパニーズR&Bディスクガイド』
日本の音楽シーンで独自の地位を築いているR&B。その豊かな歴史と多様性を網羅した待望の書籍『ジャパニーズR&Bディスクガイド』が、2026年2月10日に発売されることが決まりました。このガイドブックは、株式会社ディスクユニオンの出版部であるDU BOOKSによるもので、日本のR&Bを体系的に整理するというこれまでにない試みを行っています。
シティ・ポップからR&Bへ
シティ・ポップの再評価が盛んになる中、次に注目されるのが日本のR&Bです。2020年以降、このジャンルに新たな風が吹き込み、SNSやストリーミングの進化も相まって、海外での人気が高まりました。日本のR&Bは、オーセンティックなスタイルを持ちながらも、時代の流れを取り入れたシームレスな音楽です。これまであまり語られなかった日本産R&Bの歴史を、シーンに深く根付いた作家たちが丁寧に掘り起こしています。
ガイドブックの内容
本書は、1990年代から2020年代までの423枚の重要なアルバムを徹底レビューし、日本のR&Bが歩んできた35年間を4つの章に分けて解説しています。黎明期の作品から、ゴールデン期、さらには最近の拡散期に至るまで、全ての世代のアーティストの声を交え、時代背景を明らかにしています。
特に、1990年代のR&Bブームや2000年代の黄金期、そして2010年代以降の価値の変転については、実際に当時のシーンに関わったアーティストやプロデューサーへのロングインタビューが多数収録されていることが特徴です。DJ HASEBEをはじめとしたキーパーソンたちの証言を通して、その背景にあるストーリーを立体的に描いています。
主なインタビュー内容
- - DJ HASEBE: 90年代R&Bの中心人物が語る黎明期
- - Crystal Kay × michico: ゴールデン・タッグが振り返る2000年代の到達点
- - Nao'ymt: 三浦大知や安室奈美恵を支えたプロデューサーのR&B観
- - 向井太一: 和製R&BマニアとオルタナティヴR&Bの旗手
- - さらさ: 20年代新鋭が語る“90年代R&B”への魅力
収録アーティスト一覧
本書には、久保田利伸やDREAMS COME TRUE、MISIA、宇多田ヒカル、平井堅といった名だたるアーティストが名を連ね、彼らの音楽が日本のR&Bに与えた影響を考察します。さらに、近年注目を集める新しいアーティストも取り上げており、多世代のR&Bを俯瞰できる内容となっています。
監修者のコメント
本書の監修を務める白原ケンイチ氏は、長年にわたり日本のR&Bシーンを愛し続けてきた専門家です。彼は自身のメディア「JBSGROOVE」を通じて、邦楽の多様性や魅力を発信しており、本書を通して日本のR&Bの素晴らしさを広く伝えたいと考えています。
書誌情報
- - 書名: ジャパニーズR&Bディスクガイド
- - 副題: シティ・ポップ/渋谷系/日本語ラップと交差する和製グルーヴの誕生と成熟 1990s~2020s
- - 判型: A5 / オールカラー224ページ / 並製
- - 価格: 本体2700円+税
- - ISBN: 978-4-86647-259-1
- - 発売日: 2026年2月10日
日本のR&Bの未来を考える上で、必要不可欠な一冊となることでしょう。音楽ファンはもちろん、これからの音楽業界を担う若いクリエイターにもぜひ手に取ってほしい書籍です。興味深い内容が満載のこのガイドブックを通じて、改めて日本R&Bの魅力を発見してみてください。